夕日に間に合わない。
島でも第一の都市では車の数が多い。
一本道にたまに出てくる信号に止められ、ちょっといらっとする。
それでも、バスターミナルを過ぎれば、列をなしていた車はどこかへ忽然と消えてしまうから不思議だ。
よし、軽自動車のアクセルペダルを目一杯踏み込んで坂道を登りきろう。
と思っても前に車が1台いて、渋々付いていく羽目になる。
夕日に間に合うだろうか?
その先を曲がって坂道を駆け下りれば東シナ海に沈む太陽とご対面だ。
前の車がぼくが曲がる方向へウィンカーをして曲がった。
続いてぼくも曲がりうねった下り坂を着いていくように車を走らせた。
駐車場に着くと、夕日はまだ海の上。
カメラを持って外に出た。
前を走っていた車の中から親子三人が降りてきた。
なんと男の子は海水パンツ一丁。
ええー、夕方から海へ?
どうも文化の違いに戸惑ってしまう。
太陽が沈む間、望遠レンズをカメラに付けて、
黄金色に輝く砂浜や波間をレンズで追っていた。
突然、視界を横切る人の影。
少年が意味もなく砂浜を全力疾走で行ったり来たり走り始めたのだ。
逆光で黒いシルエットが美しい。
まるで誰かに頼まれてモデルのように走っているのではないか?とさえ思うほど、
何度も走ってサービス(?)をしてくれる。
これをレンズで捉えねば。
2回シャッターを切ったところで、少年は走ることをやめ
波が押し寄せる間際のところへ座り込んでしまった。
突然のシャッターチャンスは、それがチャンスとみなすかどうか
一瞬で本能的にキャッチできるかにかかっているようだ。
なぜ、子供は無邪気に走る回るのだろうか?
