とっくの昔に土手の向こうに太陽が沈んだ。
地平線が見えるなら、まだ名残惜しそうな太陽が見えるかもしれない。
土手が続く河原は小さな谷のようで夜のようだ。
撮影しようにもシャッタースピードが遅くなって、思うような写真が撮れない。しかも、暗すぎてオートフォーカスで被写体を狙っても思うようにピントが合わなくなる。
多くの撮影者が河原を去ってもぼくは立ちすくんでいた。
川島町の白鳥たちは、午前中に近くの田んぼへ飛び立ち、お昼過ぎに戻ってくるグループと太陽が沈んでから戻ってくるグループがいる。
川へ戻ってくるときは決まって木立を越えてくる。
果たして戻ってくるグループがいるか?
ぼくは木立の上を眺めながら、待っていた。
やがて、空から湧き出たように一群の白鳥たちが現れた。
近くに着水して来ればいいもが、ぼくの頭上を越えて夕焼けに染まった遠くの空の方へ着水した。



