続けて本を読むなど珍しい。
それも、あっという間に読み終わってしまった。
私の読む力がすぐれているのではなく、作者の書く力がすぐれているからだろう。
『火宅の人』を読んでから、こちらを読むとかなり楽しめる気がする。
随所に『火宅の人』ではこう書かれていたけれども、実際はこうだった
と、書かれているからだ。
でも、まだ読んだことがない『火宅の人』を手に取ってみようとは、思わない。
読みたい気持ちが起こらないのだ。
先日読んだ『凍』もそうだったが、長い物語の終わりに作者が登場してくる。
私、あるいはぼくと書かれていなくても、その人が作者だと読者にわかってしまう。
よく映画監督が自分が撮った映画に自らこっそり出演していることがある。
それによく似ている。
そんなことも沢木作品の面白さのひとつかもしれない。
この本を図書館に返しに行った際に、
壇一雄の著作が並んでいる棚を眺めてみたら
『小説 太宰治』があったので無意識に手に取ってページを開いてみた。
解説が沢木耕太郎だったので、館内の椅子に座って解説を読んだ。
『壇』は壇夫人の口を借りた(夫人の目から見た)壇一雄物語りであるが、
切り口が違う『壇』を読んでいる感じであっという間に読んでしまった。
たぶん、ぼくは沢木さんの文章が好きなんですね。
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