まったく雨に閉じ込められたような土日だ。
心が外に向いているときに雨に降られると、どうしたらいいかわからなくなる。
このような状態を暇というのだろうか。
やることがないと思考も働かなくなり、眠気が襲ってきて、気だるくなる。
そうして土曜日が過ぎた。
丸一日、じゅうぶんに心も体も休養を取ったから、何をやっても出来そうな状態となった。
しかし、雨。
今はオートバイに乗って、どこかに行って見たい衝動がどこかにあり、雨が恨めしく思う。
車で出かけることも出来るし、電車に乗って出かけることも出来る。
傘を差して歩くことも出来る。
でも、心はオートバイにあるから、まるで見えない囲いの中にいるようだ。
そんな状態で1冊の本を読み始めた。
かつて文芸雑誌に一挙掲載されたものを図書館で読み始めたが、強烈に話の中へ引き込まれ、一気に読む終わるのが惜しくて、途中で雑誌を閉じたことがある。
その後、読む機会も、読む衝動もなく、今日に至った。
前半は、グイグイ読み進み、途中から状況が変わった。
世界的に登山界では有名だが、日本ではメジャーじゃないクライマー夫妻が山に立ち向かうところから、心が締め付けられる思いになった。
何しろ本を閉じて気分転換ために雨の中を車で出かけたほど心苦しかった。
主人公の行動も人並み以上だが、書き手の力量がものすごく、本格的登山を知らない私でもまるでふたりと同行しているような気持ちにさせられるのだ。
新たな気持ちで読み始めるが、やはりなかなか読み進められない。
特に頂上アタックから下山の途中まで、とても息苦しい。
だから章単位、節単位も読めない。
行間が空いているところで、いったん本を閉じて、心を落ち着かせる。
何度本を閉じて読み進めただろう。
しかし、エンディングは暗くない。
作者独特のある種の爽快感に包まれている。
