雨降って、びしょ濡れ。
レインスーツを着る間もなく、雹(ひょう)のような大粒の雨が体に当たる。
道端の東屋に逃げ込んで、上半身は裸になる。
濡れたTシャツを着ているより暖かい。
激しく降る雨を見続ける。
いったん小降りになったと思ったら、再び激しい雨。
降る予感はあった。
それでも、分岐点で怪しい空のほうへ進んでしまったわけはわからない。
たまにはずぶ濡れになるのもいいかと思ったのか。
汗ばんだ体が雨に打たれて一気に寒くなる。
じきに止んで走りながら濡れた身を乾かす心地よさを求めていたのかもしれない。
しかし、雨が降り続く。
もう一度小雨になったところでレインスーツを着込んで雨の中へ走り出した。
振り返れば青空が追いかけてくる。
でも、雨雲と進む方向が一緒だから里に着くまではずっと雨に打たれ続けた。
平地に入ると路面は乾き、暑い日ざしが照り返していた。
コンビニにバイクを停めて、レインスーツを脱いでバイクにかけて干す。
エアコンが効いた乗用車から男性が降りてきて、暑いなぁと言葉を吐き出した。
傍らに立つぼくはパンツまでびっしょりで青空を見上げていた。
そして、濡れたTシャツは家に着くまで乾くだろう。
