写真集『空の色』 | 旅ノカケラ

旅ノカケラ

@人生は先がわからないから、面白い。
@そして、人生は旅のようなもの。
@今日もボクは迷子になる。


空の色


この写真集を見ていて、おや?と思った。
土手を下から見上げて、土手のすぐ上にぽっかり雲が浮いている写真が載せられていたからだ。
ほとんど海外で撮られたと思う広角レンズで目いっぱい広がったメインテーマが空の写真ばかり並ぶ中にどうみても日本的な見慣れた土手が混じっているのが意外な印象を受ける。これは作者の洒落なのか。
しかも、空気感、空の色、雲の形、土手の雰囲気などいつも見慣れている土手の風景に近い。季節でいうなら少し暖かくなって枯れ草から緑の草が生え始めたころ。この本を手に入れる前のほんの少し前に写真と同じようなアングルで同じように雲を写しこんだ写真をぼくも撮ってみたことがある。そのときは自分にとって見慣れた風景でありなんの面白みもない写真と思ったからパソコンのハードディスクから削除してしまった。
都会に住んでいると土手の風景に懐かしさを思い出す人もいるだろう。しかし、どこへ行くにも土手を越えていく生活に身を置いているとどうしても懐かしさよりもある触れた日常風景に見えてしまう。そこでぼくの興味はこの土手はどこなんだろう?日本らしいがどの辺りなのかとても気になった。
写真集をめくっていくと、小さなモノクロの写真と一緒に作者のコメントと撮影場所が1枚1枚簡単に記載されていた。順に見ていき問題の写真の撮影場所を見て驚いた。ぼくの自宅からどんなに渋滞していても車で30分もあれば着いてしまう小さな町だった。さらに見ていくと、その隣町で撮影された写真もあった。
んー、気になる、気になる。
この2つの町を過ぎると埼玉県で唯一となった村がある。そこの素朴な雰囲気が好きで、よく車やバイクで2つの町を走り抜けて、村を眺めながら峠を越えて秩父へと向かうことが多い。よく知っている土地だけに作者がこの土地に立って風景を眺めカメラに収めたとなると気になってしまう。有名な撮影地なら、そんなことも考えない。本州の内陸で少し田舎へ行けば見られるごくありふれた里山風景なのだ。
どうしてここへ来たのだろう?
とても気になってネットで作者名を検索ワードにして情報を探した。まずは作者のオフィシャルサイトから。するとどうだろう。あっさり答えが見つかった。作者のエッセイの中に『埼玉県小川町』とタイトルがつけられたカメラマンとしてスタートする直前の話が書かれていた。


文章を読んで写真を眺めていると作者の心境や目に映った風景がぼく自身の中でシンクロしてくる。
そして、ごくありふれた風景写真がとても重さを増してくるようだった。


HUBUさんのサイト

http://www.artfarm.co.jp/habu/


今日たまたま土手の写真を2枚撮ったが、HUBUさんの写真にはとうていかなわない。(当たり前だが・・・)



土手-1
αSweetDIGITAL α AF 50mm F1.4
絞り優先f5.6シャッター1/500秒



土手-2
αSweetDIGITAL α AF DT 18-70mm F3.5-5.6 (D)

絞り優先f8.0シャッター1/640秒