ささやかな幸せの連続 | 旅ノカケラ

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@人生は先がわからないから、面白い。
@そして、人生は旅のようなもの。
@今日もボクは迷子になる。

ある朝、TVの占いコーナーを何気なく見ていた。
いて座は運気が上がっているようだ。


『気になる人を食事に誘ってみましょう。』


運気が高い順に紹介されて、2番目に上のようなコメントが画面に映し出された。
一緒に仕事をするメンバーが少ない、しかもセールの最終日。
忙しさが輪をかけて忙しくなる。
期待と不安を抱えて、緊張が高まって気合が体中にみなぎってくる。
が、雨。
天候に左右されやすい商売だから、閑散としたセール最終日となってしまった。


あまりの暇で売り場の掃除をはじめた。
一緒にバイトしている子も何も言わずに黙々と掃除をしていた。
しばらくして、その子がヘルメット用のシールドを手に取って、しげしげと眺めている。


「これ何のシールドですか?」
「あー、これ、XXXのシールド。捨てちゃっていいよ」
「え、えっ」
「ディスカウントショップで売っているような安っぽいヘルメットだから今は置いてないんだ。ヘルメットがないからシールドだけあっても売れないし」


値段を下げても売れなくて、一年間埃まみれになって売り場に置かれていた。
しかも、仕入れ値まで値段を下げてみてもまったく売れる気配がない。


ところが・・・。
数時間経って、バイトの子が見慣れないヘルメットと先ほどの売れ残りのシールドを持ってきた。
「これって、このシールドでいいんですか?」
お客さんが持ってきたヘルメットを見るとバイク街で有名な東京・上野のショップオリジナルのもの。
形がよく似ているから装着できるのか聞いてきたのだ。
当然ながら自分の店では扱っていないヘルメットだから、適合するとは断言できない。
「ちょっと交換してみようよ」
これがぴったり。しかもシールドの形状が一緒。
弱小ヘルメットメーカーがよくやる商売で、カラーデザインをショップオリジナルにして卸すことがよくある。
または中国の工場が一緒でシールドのデザインがまったく同じなのにヘルメットメーカーが違うだけなんてこともざらにある。


なんて幸運ことなんでしょう。
ゴミと思っていたものが売れた・・・。
しかも、必要としていた人に買ってもらった。
こんなラッキーなことはない。


また掃除の続きをはじめる。
バイトの子がお客さんの電話を受けてなにやらヘルメットのことで相談を受けている。
「頭の大きさが63センチって言うんですが、サイズはXXLでしたっけ?」
「ああ、それならアライのSZ-RAMⅢでXXLの63-64センチと65センチが在庫あるよ。今日来店してもらえるなら取り置きしておくって言って。被るだけでもきてもらえば?」
ついつい余計なアドバイスをしてしまった。
アライヘルメットにはXXLサイズが2つある。
63-64センチと65センチ。
特大の65センチはアライヘルメットだけしか作っていない。
しかも、これ以上大きなヘルメットは存在しないと思われる。
実は65センチのヘルメットはお客さんの要望でわざわざ取り寄せたのだが、入荷した時点でお客さんに連絡すると色々理由を付けられてキャンセルになったものだった。
たいてい人の頭はXLサイズまでに収まって、年に数回XXLサイズの63-64センチのヘルメットが売れる。65センチになると3年で1回ぐらいしか売った記憶がない。
65センチのヘルメットをメーカーに返品するにもいかず困った困ったと嘆いているところだった。


数時間後、電話で問い合わせがあったお客さんがやってきた。
まず63-64センチのヘルメットを被ってもらった。
何とか被れたがちょっときついと言う。
そして65センチを被ってもらう。
「ああ、これは・・・」
しっくりきたような声が漏れて、サイズがよかったと思いきや
「これ以上大きいのってないんですよね」
と言われてしまった。
「ええ、これ以上大きいのはないんですよ」
63-64センチと65センチを交互に被り比べてもらう。
どうも納得がいかないようなので
「ショウエイのJストリームってヘルメットでXXL(63-64センチ)があるので、被ってみます?」
と聞いてみた。
そこでショウエイのヘルメットを被ってもらったところ、しっくりこないようでまたアライのヘルメットの63-64センチと65センチを交互に被りはじめた。
じっくり時間をかけてもらって、結局は65センチを買ってもらえることになった。


なんて幸運ことなんでしょう。
売れないと思っていたものが売れた・・・。
しかも、必要としていた人に買ってもらった。
こんなラッキーなことはない。


ささやかな幸せが連続して、気持ちがいい。
調子に乗って、友達を食事に誘ってみる。
見事に断られた・・・。
気になる人が身近にいれば、最高な一日の締めくくりにちょうどよかったんだが。
これが自分らしいかも!?