世の中は善良なライダーが多い | 旅ノカケラ

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ヘルメット売り場には、お椀型のハーフヘルメットが並んでいる。
プライスカードのほかに「このヘルメットは125cc以下用です」と書かれた小さなカードを棚に貼ることにした。
道路交通法では何ccのバイクは何cc用のヘルメットを被らないといけない、と定められていない。
たとえハーフヘルメットを被って、大きなバイクに乗っても、なんら法的束縛がない。
ただし、ヘルメット製造業者の規制で耳が出るようなハーフヘルメットには125cc以下用と明記しなければならない。
当然ながら、むき出しの部分が多く、構造上安全性がかなり低いから、大きなバイクで走行するようなスピードで事故に遭遇したときはかなりダメージを受けてしまう。
そのための使用者への警告といえるかもしれない。
実際、ハーフヘルメットの形状が125cc以下用と知らないライダーが多い。


小さなカードを見て、確認のためか声をかけられることが多い。
「125cc以下用なんですか?」
こう聞いてくれれば、ああ、知らないんだな、と思って親切に対応してあげられる。
しかし、「これ被って大きいバイクに乗ると捕まるの?」と続いたり、いきなり切り出されると、ちょっとムッと来る。
捕まらなければいいのか?って。
それで、ついつい表情を殺して、そっけない感じで、対応してしまうことになる。
ぼくのポリシーとして「捕まりませんよ」とは絶対言わないことにしている。
そして、延々と危険性ともしものときに保険がおりないことなど説明することにしている。
相手としては「捕まるか」、「捕まらないか」が大問題であって、安全性など頭にはない。
みんなが被っているから、ファッションとして、ぐらいしか気にしていない。
執拗に迫ってくる相手には「法律のことは、よくわからないので・・・。でも、捕まったって、話は聞きませんよ」と、とぼける。
中には安全性を心配して、排気量無制限のヘルメットに変えてくれる人も少なからずいる。
そのほかは開き直ってハーフヘルメットを買っていくか、態度が悪い店員と思って店を出て行く人もいる。


「これ被って大きいバイクに乗ると捕まるの?」と聞かれるたびに、心の中でまたかとうんざりしていた。
ところが、ある日、なんだ、素敵なことじゃないかと思うようになった。


だって、法律を守ろうとする善良なライダーじゃないか。
無法者なら、捕まるかどうかなんて気にしないはずだ。