仕事の休憩の合間にコーヒーを飲んでいる。
コーヒーは本格的なドリップが美味しいけれど
自前で用意したインスタント。
それもコンビニで小さな瓶詰めの一番価格が安いやつにしている。
なぜか「香味焙煎
」が安く、香りと味がいいので最近はもっぱらこれを飲む。
いつものように昼食を食べ終わった後に
ミネラルウォーターでお湯を沸かして、コーヒーカップに注いだ。
コーヒーの香ばしい香りが漂ってくる。
すると
「たまにしかコーヒー飲まないけれど
すげーコーヒーを飲みたくなってきちゃった」
目の前のスタッフが共用のインスタントコーヒーを入れ始めた。
「全然、匂いが違うなぁ」
たしかに粉っぽくていかにもインスタントコーヒーっぽい。
「こっち飲んでみます?」
「うぉー、全然匂いと味が違う」
どれどれと同じく休憩していた男どもが1つのコーヒーに群がった。
「ちがう、ちがう」
「入れてから言うのもなんだけど、こっち飲むのつらいなー」
「じゃあ、こっちあげるので飲んでくださいよ」
「いやー、せっかく入れたし・・・」
「いえいえ、たまにしか飲まないなら美味しいほう飲んだほうがいいですよ」
そんなことで、安いインスタントコーヒーを振舞うことに。
ふだんあまりコーヒーを飲まない人が嬉しそうに言った。
「いやー、癒されるな。あまり飲まないけれどコーヒーの香りっていいねー。
コーヒー好きの人がよく香りがどうの、味がどうのって言うのを聞いても
うざいと思っていたけれど、こういうことなのかな。いやー、癒される」
ぼくは味がわからない男なのだが
人のふり見て、コーヒーはつくづく香りで飲むものだなと思ってしまった。