夢の話。
若い女性が部屋の隅っこにいる。
知っている顔と思うがよくわからない。
そういえば、いつもと様子が違っていたから
どうしたの?と声をかけたら
ちょっと情緒不安定と答えたのを思い出した。
「大丈夫?情緒不安定って言ってたけど?」
彼女は下を向きながら
「ほっといてください」
と震える小さな声でぽつりと言った。
身を固くして、ぼくが一歩でも近づかないようにバリアを張っている雰囲気が彼女の全身から出ている。
そして顔はよく見えないが泣きそうな感じ。
ぼくは何とかしてあげたい気持ちになるが近づくことも話を聞いてあげることもできない。
「つつかれたくないんだ」
「はい」
震えてかろうじてやっと発したようなか細い声。
ぼくはすごく気にかかったまま部屋を出た。
目覚めが悪く、気になって仕方がない。
何とかしてあげたい。
放って置いて、と言われても、聞いたほうが良かったのか?
でも、それは自分の好奇心を満たすだけに過ぎないかもしれない。
とっても気になる悶々とした気持ちはどうしたら静まるのか。