バイクのフロントフォークのオーバーホールとステムベアリングの交換をしなければいけない。バイクは走る、曲がる、止まるの3つが問題なくできてバイクと言える。フロントフォークはどれにもからみとても重要な部分となっている。しかし、10万キロ以上も走っているにもかかわらず一度もオイルの交換をしていない。ばらしてオイルを入れ替え、劣化しやすいゴムのパッキンも代えることになる。ステムベアリングはハンドルの付け根に埋め込まれているパーツで、かなり磨耗してきたのかハンドルがスムーズに切れなくなっている。パーツを取り寄せ、後は交換するだけ。ちょうどバイト先のピットマンの研修でぼくのバイクを使ってモンダイの部分を交換してくれる手はずになっている。しかし、かなり春めいてきて、お客さんのバイクのパーツ交換が途切れずにぼくのバイクまで面倒をみきれない状態が続いている。
さて、どうしたものか。
ピットマンに、こんどバイクを預けておいて、空いている時間に研修に使ってもらうって、どお?と提案してみた。なにしろ雨の日はピットはガラ空きだから、それでということになった。
しかし、バイクで行って置いてくることになると帰りが大変になる。
店から最寄り駅まで30分ほど歩かなければならない。そして、自宅の最寄り駅までも20分かかる。工賃がタダだからお金を使わず体を使っても安いもんだが・・・。
歩きたくない。
さて、どうしたものか。
一ヶ月も二ヶ月もずるずると時は流れ、別れの春、出会いの春がやってきた。
大学生の男子バイトくんが就職のため辞めることになり、新しく大学生の女子アルバイトさんがやってきた。人見知りもせず、明朗活発な女の子で色々話していると、ぼくの通勤経路の途中に住んでいるらしいことがわかった。詳細は警戒しているのですか教えてくれませんが(笑)
そして、ぼくの頭の中にある作戦がひらめいた。バイクを置いて帰る日に彼女のバイク後ろに乗せてもらい途中まで送ってもらうこと。
かなり無謀な計画かも・・・。
さて、どうしたものか。
恋の告白と違って、なぜかこういうことは気兼ねなく言えてしまう自分が恐い。ふつうなら若い乙女にバイクの後ろに乗せてくれ、しかも送ってくれなんて、大の男が言えるでしょうか。
「Bさんって、もう二人乗りってデキルんだっけ?免許取ってから一年ぐらいは二人乗りできないでしょ?」
「出来ますよ」
「そうなの?実はお願いがあるんですけど・・・」
「はい、何でも聞きますよ」
聞いてもいいけど、高いですよ~なんて、使い古されたセリフなんか言わない純なコです。
事情を説明すると
「体重はどのくらいですか?」
質問された。
「ロクじゅうロク、ナナかな?」
「じゃあ、大丈夫です。わたし、70キロぐらいの人を乗せた事があるんです!」
陽気に答えてくれて、乗せてくれることを了解してくれた。
しばらく話していたら
「前と後ろ交代しません?」
と彼女から提案された。
「別にいいけど・・・」
カワサキのZZR。スポーツタイプでけっこう速い。知らず知らずのうちにスピードを出してしまうから、タンデムでスピードを抑えられるか心配だ。
さて、どうしたものか。
そんな心配をよそに
「自分のバイクの後ろって乗ってたことがないから面白そう」
Bさんは、はしゃいでおりました。
そういえば、二十代前半は面白いか面白くないかがひとつの価値観の基準だったな。
面白いはユニークということで、自分が経験していないことすべてがユニークとなる。
ぼくぐらいの年齢になると色々経験値が高く、なかなか面白いことに出会わない。
だからこそ、歳を取るほどどんどん新しいことをやりはじめることも大切かもしれない。
そんなことをふと思ったりした。
ひさびさのタンデム。
さて、どうしたものか。
たぶん4月に入ってからタンデムをお願いすることになるだろう。