古道に行こう!(その1) | 旅ノカケラ

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@そして、人生は旅のようなもの。
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 夏真っ盛りです。でも、夏の実感が湧かない。ぼちぼちしていたら、涼しい秋風が吹いてきて、夏はどこへ行ってしまった?となりそうだ。ここ数年は、そんな夏を過ごしている。今年の夏こそ、思い出深い何かをやらなければ。


 そこで、秩父の巡礼古道を辿ってきた。


 作戦では、秩父鉄道大野原駅までバイクで行き、駅前にバイクを停めたまま江戸巡礼古道を辿り、影森駅まで歩き、電車に乗って大野原駅に戻ってくることにした。歩くための手がかりとなる地図は、秩父市観光課が発行しているパンフレット一枚のみ。標準歩行タイムは四時間二十分。休憩しても、それほど時間はかからないだろう。歩く目印に「道しるべ石」があるし、パンフレットを作ったぐらいだから、きっと案内板もあって迷うこともないだろう。ゆっくり自宅を出て、ゆっくり歩いて、帰りにゆっくり温泉にでも浸かってこようと思った。


 しかし、そんなに甘くはなかった・・・。


 まず、出発地点の大野原駅がわからなかった。国道140号から線路を渡って、線路に並行する道沿いに駅はあるはずだ。どんなに小さな駅でも、駅を中心にひらけているから見逃すはずはない。必ず駅を示す案内板はあるはずだ。ところが一本道を走っていくと踏み切りと出会ってしまった。地区名を示す看板がいたるところにあって、大野原地区にいることは間違いない。じゃあ、行き過ぎたか、と戻ると大きな交差点に出てしまった。また、行き過ぎた。Uターンして進むと、また行き過ぎた気がして、再びUターンしてみる。コンビニエンス・ストアのヤマザキ・デイリー・ストアが目に付いたので、今のうちに飲み物とオニギリでも買っておいたほうがいいかなと店のほうに顔を向けて通り過ぎた。そのとき、店の前に細い道があって、奥に駐輪場と駐車場が見えた。まさか・・・。Uターンして、細い道を入ると大野原駅があるではないか。車道には駅を示すものは何もない。ここまでで、ゆっくり、ゆっくりの心境は乱れに乱れ、やれやれの感じ。


 駅の横にある駐輪場と駐車場は駅利用者のための有料施設となっていた。1回の利用は自転車120円、バイク150円、車500円。別途月極めの利用も可。こっそりバイクを置くスペースもないので、料金を払って置かせてもらうことにした。その前にヤマザキ・デイリー・ストアでペットボトルの水とオニギリを3個買った。ひとりだからいつでもスタートできるのだが、自販機でカップ入りアイスコーヒーを買って一息ついた。それにしてもバイクを降りると暑い。果たして全部歩けるのか。


 いよいよ出発です。時間は11時半ごろ。


 駅を出て、左に進む。国道140号と299号にはさまれた道だから交通量は少ないが、歩道がないため、ときたますれ違う車が恐い。道を歩くことが不便なのか、慣れてないのか。少し歩くと、19番龍石寺の案内板があった。車一台ぐらい通れる細い道。車の心配がなくなって、のんびりと歩ける。しかし、アスファルトの照り返しがきつく、汗を拭いても拭いても吹き出てくる。案内板が出ていたので左折する。人が歩けるほどの細い道。バイクなら通れるけれど、車じゃ無理だな。いよいよもって、歩く楽しみが増してくる。しかし、暑い。頭がぼーっとして顔中汗だらけ。上半身はダクロンQDの速乾性のあるTシャツを着ているが次から次へと汗が体中から出てくるので、びっしょり濡れたまま。上り坂になってハアハア息をしながら道なりに歩いていたら、さきほどの車一台ぐらい通れる細い道に出てしまった。えっ、なんで?パンフレットを見るが一本道のはずだ。坂を引き返し下りきったところに手書きの案内板が出ていた。確かにパンフレットでは直角に曲がっているが・・・。あまりの暑さに見落としたようだ。畑の中の一本道を行く。しかし、舗装路。ハイキング気分で来たから早く土の上を歩きたいものだ。気持ちとは裏腹にすぐに車道に出てしまった。大きな駐車場があって19番龍石寺の案内板があった。その通りに進むと、目の前に殺風景な近代的なマンションが数棟現れた。その横に19番龍石寺があった。迷いながらも駅から15分ほどだからパンフレットの標準タイムと同じだ。これならパンフレットに書かれている時間を目安にしてもいいだろう。龍石寺の説明書きを読むと、一枚岩の上に建立されているそうな。しかし、説明書きを読まないと見た目はわからない。


 迷いながらも順調な滑り出しのようだが・・・。


 パンフレットを見ると、少し直線を歩いて右に曲がるように書かれていたので、マンションの前を通り過ぎていくと行き止まりになってしまった。戻って、龍石寺を囲むように細い道があったので、そこへ進んだ。T字路を右に行き龍石寺の裏側を歩くとすぐに巡礼路の案内板が見つかった。初めはいたるところで、この案内板がつけられていたが、歩くほど数が減ってくる。中には分岐を選んで少し歩いたところにぶら下がっていたりして、まるでオリエンテーリングになってしまう。でも、まったくなかったらパンフレットだけじゃ歩けない。道がややこしいほどのどかな風景の中を歩くことになって、気分はいい。右札所二十番と書かれた道しるべに従って右へ曲がると車道に出てしまった。案内板に沿って車道を渡ると車が通れない鉄橋が架かっていた。パンフレットでみると少し離れているが国道299号の秩父橋と平行に架かっている。下を流れる荒川は遥か下の方に見える。橋を渡りきると国道を挟んで東屋が見える。国道に出てしまったが巡礼路はどこなのだろう?何も案内板がない。道路を横切ると危ないから迂回路を使って橋の下をくぐり抜けてくださいと書かれているだけ。危ないといっても交通量が多くなく、渡れそうである。しかし、注意書きにしたがって階段を下って上ってと歩くと東屋の横に出た。そこに巡礼路の案内板があった。たぶん、今までの経緯から、もし国道を渡ったら東屋に寄らずに国道を果てしなく歩いていたかもしれない。パンフレットでは国道に架かっている橋を渡り、少し進んでから左折するように書かれている。実際には秩父橋を渡りきったところにある東屋の脇が通り道なのだ。


 歩くコツを掴んだようだが・・・。


 やっと舗装路が終わり、山の斜面に沿って道が延びている。山道は足元が不安定だが、歩いている実感が伴う。それに木々にさえぎられて路面の照り返しもない。息があがって苦しいが、暑さの苦しさのほうが体にこたえる。上り坂を登りきってしばらく平坦な道を歩く。高いところから荒川に沿って歩くことは、とても気分がいい。ひょっこりと二十番岩之上堂が現れた。目標となる建物があったが、進むべき方向がわからない。巡礼路を示す案内板がないのだ。建物の裏へと続く石段を上がりきると車道に出てしまった。これが巡礼路でパンフレットはその車道を辿るようになっている。いやはや、どうなっているのか。
 
 やっと江戸巡礼古道のはじまりです。


※しかし、歩き疲れ、書き疲れで、今日はこの辺で。