▼某月某日
ぼくが名乗っているハンドルネームはバーチャルな世界の名前であって、リアルな世界で名乗るつもりはなかった。
それがネットで出会った人と会うときに呼ばれるニックネームのようになってしまった。
まぁ、それはいい。
本名で名乗ったところでピンと来ないから、仕方がない。
ところが、今日、社員の方から「ポパイって、ミツイさん?」と尋ねられた。
実生活の中で、ネットの交友範囲を離れたところで、ハンドルネームを呼ばれることはかなり恥ずかしい。
「オマエ、ポパイって呼ばれているの?」または「オマエ、ポパイって名乗っているの?」みたいな目の前の人物がおよそ似つかわしくない名前の姿形のため不思議そうな目で見られるからだ。
聞けば、接客したお客さんから「ここで働いているニックネームがポパイって人の友達から紹介されてきた」と言われたという。
言葉の裏には「知り合いがいるから値引いてくれ」という言葉を秘めている。
いつか来るかもしれないと思い接客業なので、周囲には本を書いたことも自ら語らず、ネットのハンドルネームも伏せたまま仕事をしていた。
やっぱり「本を読みましたよぉ」とか「いつもネットでお世話になってますぅ」と来られると悪い気はしなくて、「安くしてよぉ」と言われれば人情的になんとかしたくなってしまう。
でも初対面では商売上難しい。
まして友達の友達はさらに難しい。
何度かお会いしている友人、知人にはお友達割引をしたことはあります。
恐いことは「あの店でポパイの友達といえば安くなる」と噂が広がること。
お友達の数は限られています。
たとえば、ぼくの友達が20人とします。
その友達に20人友達がいるとしたら
20人×20人で400人。
400人に友達が20人いれば
400人×20人で8000人。
地理的なこともあって実際はそうそう来店できないが、来た全員に値引きをしてしまうとお店は潰れてしまいます。
もしも、ネットで広まったとしたら嘘の友達も現れ収拾がつかなくなります。
実際、「XXXの友達です」と言われても店のスタッフは値引きをしないことになっています。
これを読んでいる「値引きされなかったよ」と言われた友達がいましたら、大きな勘違いされていると思います。
バーチャルな名前のぼくがリアルな世界であなたと出会ってお友達のひとりになった証だからです。