▼某月某日
だんだんと空が暗くなってきた。
なんだか雨が降りそうだと思い、ヤフーの天気予報を開いてみた。
埼玉地方は気圧の谷の通過でところにより雨が降ると書かれていた。
雨雲の様子が描かれている画像を見ると、近くまで雨雲が忍び寄っている。
さらに空は暗くなり、かすかに雷の音が聞こえてきた。
雨音がしたと思ったら、ものすごい風の音と雨の音が聞こえてきた。
窓の外は地面に打ち付けられた雨が白く飛び散り、上から下へ太く白い雨の筋が流れ落ちていく。
この雨を見て、ぼくは沖縄の雨や屋久島の雨を思い出す。
激しい雨。
情熱的な雨。
雨の日の出来事が次々にフラッシュバックして、高揚してくる。
雨は数時間後にやんだ。
それにともなって、遠い記憶も遠い彼方へ消えてしまったようだ。
気圧の谷の雨は激しく、そして短い。
気まぐれの雨は古い記憶を伴って去っていった。