週足チャートで振り返る【9月7日週の相場まとめ】原油高とインフレ再燃懸念で下落。
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9月7日週の相場を振り返りましょう。
中東情勢の緊迫化を起点とした原油価格の急騰と、米国のインフレ懸念、さらに日米の金融政策正常化が重なり、株、債券のほか、特に為替が大きく動く1週間となりました。
米国株は主要3指数が週間でそろって下落しました。週足では、ダウ平均が1.57%安、S&P500が0.80%安、ナスダック総合が0.66%安となりました。
週末11日には反発したものの、週を通してみれば、原油高と長期金利上昇に株価が押された1週間だったといえます。
特に大きな変化があったのが原油市場です。
中東情勢の緊張が一段と高まり、原油の主要輸送ルートであるホルムズ海峡を巡る供給不安が強まったことで、北海ブレント原油は一時1バレル109.97ドルまで上昇しました。週末には104ドル台まで低下したものの、週間では8%を超える上昇となっています。
10日に発表された8月の米PPIは前月比0.4%上昇と市場予想並みでした。ただ、財価格は1.1%上昇し、エネルギー価格や航空運賃、医療サービスなど幅広い項目で価格上昇が確認されました。前年比では5.4%上昇しています。
さらに11日の8月CPIは、総合が前月比0.4%、前年比3.4%上昇。食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比0.3%、前年比2.4%上昇しました。
特にコアの前月比0.3%は市場予想の0.2%を上回り、インフレの粘着性が改めて意識されました。
この結果、市場では次回FOMCで25bpの追加利上げが行われる確率が90%前後まで上昇しました。
一方でCPI発表後に米国株が上昇、(通常であれば「CPI上振れ、利上げ観測上昇」は株価にマイナスです。)FRBがインフレを抑えるために必要な金融政策を行うことで、将来的なインフレ期待を抑制できるとの見方も広がりました。
また、原油価格が高値から反落したことで米長期金利の上昇も一服し、週末には株式市場への買い戻しが入りました。
ただし、ここは強気転換と判断するにはまだ早いとみています。
米10年債利回りは一時4.9915%まで上昇し、心理的節目となる5%に接近しました。
米国株にとって、今後は企業業績以上にこの5%が重要な数字になりそうです。
10年債利回りが5%前後で定着すれば、安全資産である米国債から5%近い利回りを得られるため、株式に高いリスクを取って投資するハードルが上がります。
特にPERの高いAI・半導体などのグロース株では、将来利益を現在価値に割り引く際の割引率が上昇するため、業績が悪化しなくても株価の適正評価そのものが低下する可能性があります。
また足元では名目金利の上昇がインフレ期待の上昇以上に大きくなっており、実質金利が高い状態となっています。実質金利が高くなると、企業にとって資金調達コストそのものが重くなります。個人の住宅ローンや企業の設備投資にも影響し、経済活動を直接抑制します。
背景には、米国政府による大量の国債発行に加え、AIデータセンター投資を進める巨大テクノロジー企業など、民間企業側でも巨額の資金需要が発生していることがあります。
政府も企業も債券市場から大量の資金を調達しようとすれば、投資家に買ってもらうためには、より高い利回りが必要になります。
つまり金利上昇は財政、国債需給、AI投資による巨大な資金需要という構造的な要因も含んでいるからこそ、FRBがいずれ利下げへ転じれば長期金利も簡単に元へ戻る、と考えることには注意が必要です。
日経平均は週足で1009円60銭の下落で6万4011円34銭で終了し、週間では約1.55%下落しました。週足では2週連続の陰線となり、上昇トレンドの中に調整色が強まっています。
日中の値動きも大きく、週間高値と安値の差は3000円を超えました。
週初には半導体株への買い戻しなどから大きく上昇する場面がありましたが、その後は原油高、米長期金利上昇、円高という三つの逆風が重なり、AI・半導体関連を中心に利益確定売りが広がりました。
ただ今の日本株は指数内部の差が非常に大きくなっています。日経平均は半導体や値がさハイテク銘柄の影響を強く受けます。米長期金利が5%近くまで上昇すれば、高PER銘柄のバリュエーションには逆風となります。
一方で、内需株や一部の好業績株、銀行株などには資金が向かっています。つまり現在起きているのは全面的な日本株売りというより、金利上昇をきっかけとしたセクターローテーションという側面が強いと考えています。
今後は日経平均とTOPIXの動きにも注目です。
銀行、保険など金融株の比重が相対的に高いTOPIXが日経平均より底堅くなれば、NT倍率が低下する形で、ハイテク中心の相場からバリュー・金融株へ資金が移っていることを確認できます。
さらに日本では日銀の金融政策正常化も進んでいます。市場では9月17、18日の日銀金融政策決定会合で25bpの追加利上げを行い、政策金利を1.25%とする見方がほぼ織り込まれています。
これは 銀行では預貸金利ざやの拡大が期待できますし、保険会社では運用利回り改善につながります。また、日本企業には長年のデフレ環境の中で現預金を積み上げてきた企業も多く存在します。実質無借金でキャッシュを豊富に持つ企業であれば、金利上昇による借入コスト増加の影響が小さいだけでなく、預金や債券から得られる利息収入が増える場合もあります。
さらに東京証券取引所が資本コストや株価を意識した経営を求める中、余剰資金を自社株買いや増配に回す企業も増えています。統計上でも10月以降はバリュー株が買われる傾向があるなかで金利が高くても利益とキャッシュを残せる企業が物色される可能性もあるとみています。
為替市場では円高が進みました。
ドル円は週前半に一時152円台まで円高・ドル安が進み、9月8日には152.89円と2月以来の円高水準を付けました。
背景には大きく三つあります。
一つ目は、日銀の追加利上げ観測です。
二つ目は、米国側からも過度な円安に対するけん制が続いていること。
そして三つ目が、円キャリートレードの巻き戻しです。
実際、CFTCのIMM通貨先物では投機筋の円ポジションが、9月8日までの週に今年2月以来初めてネットロングへ転換しました。
低金利の円を売る→ 高金利のドルを買うというキャリートレードが円安を加速させてきましたが
日銀が利上げを続けるのであれば、この構図そのものが弱くなります。
しかしながら日銀が予想通り25bp利上げしても、すでに市場がかなり織り込んでいるため、発表後に材料出尽くしの円売りが出る可能性があります。特に植田総裁が、その後の連続的な利上げに慎重な発言をすれば、一時的にドル円が反発しても不思議ではありません。
また原油価格上昇は、エネルギー輸入国である日本にとって貿易収支の悪化要因です。実需面では円売り要因になります。
したがって今後のドル円は、日米金利差縮小による円高圧力と、原油高・貿易収支悪化による円安圧力がぶつかる形になりそうです。
ゴールドを見てみますと、地政学リスク・インフレ上昇はプラス、実質金利上昇・ドル高はマイナスという相反する材料に挟まれているように見えます。ただ過剰流動性相場の中で、ゴールドは、個人的には押し目は少しずつ拾いたいと考えています。
さて今週は日米の中央銀行ウィークです。利上げでも据え置きでも、市場が揺れる可能性があります。
今週最大のイベントは、15、16日のFOMCと17、18日の日銀金融政策決定会合です。
まずFOMCでは、市場は25bpの利上げを中心シナリオとして織り込んでいます。
問題は、利上げするかどうかだけではありません。むしろ重要なのは、その後のFRBのメッセージでしょう。
利上げを行えば、短期的にはAI・半導体など高PER株への下押し圧力になります。
ただしFRBがインフレ抑制姿勢を明確にすることで、中長期的なインフレ期待を抑えることができれば、長期金利の安定につながる可能性があります。FRBの信用にも繋がりそうです。
逆に市場が利上げを強く織り込んでいる中で据え置いた場合、「FRBはインフレより景気や政治を優先するのではないか」と受け止められれば、債券市場がFRBのインフレ抑制姿勢に疑問を持ち、長期金利がかえって上昇するリスクがあります。
そうなると、
利上げなら株式市場への短期ショック
据え置きなら債券市場からのショック
という、どちらに動いてもボラティリティが高まりやすいFOMC、かもしれません。
日本では日銀が25bp利上げし、政策金利を1.25%へ引き上げることが中心シナリオになっています。Reutersも、25bpの引き上げが有力で、50bpの大幅利上げより穏当な利上げが支持されていると報じています。
したがって、0.25%の利上げそのものはすでに織り込み済みです。日本株や円を大きく動かすのは、その後の植田総裁の記者会見だと考えています。
今後も3カ月程度の短い間隔で利上げを続ける可能性を示せば、円高、銀行株高、高PER株安という動きが強まりやすくなります。
一方、今回の利上げ後は慎重に経済を見極める姿勢を示せば、円高ポジションの巻き戻しから、一時的に円安へ戻る可能性があります。
しかしチャートを見ると、1ドル=152円のサポートラインを超えて147円も超えると大変な急落になる可能性もありそう。
上にも下にも動く可能性を考えてポジション取ることと資金管理は大切だと思います。
急落したらドルも株も金も拾いたい…(欲望がある時は下がらないかもしれませんが。)
VIX指数も低水準…こういう時はびっくりするくらい動く可能性があると考えます。






