週足チャートで振り返る【6月9日週の相場まとめ】
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先週の米市場で主要3指数は小幅に上昇。
AI・半導体株の急落から始まり、週後半は中東情勢の緩和期待で持ち直す展開でした。
週前半は、米雇用統計の強さを受けた利上げ警戒や、AI・半導体株への利益確定売りが重しとなりました。
一方で週後半は、米国とイランの戦闘終結に向けた期待、原油価格の下落、そしてスペースX上場への関心もあり、投資家心理はやや持ち直しました。
前週末6月5日に発表された米5月雇用統計では、
非農業部門雇用者数は前月比17万2000人増、失業率は4.3%で横ばいでした。
雇用者数は市場予想を上回る強い内容で、米労働市場の底堅さが改めて確認されました。
ただし、株式市場にとっては素直に好材料とは受け止められませんでした。
雇用が強いということは、FRBが急いで利下げする必要が薄れる、場合によっては高金利が長引く、という見方につながります。特にAI・半導体のような成長株は、将来の利益期待を織り込んで株価が上がっているため、金利上昇や利下げ後ずれに弱い面があります。
そのため、週初は「景気が強いから株高」ではなく、「景気が強すぎて金融緩和が遠のくから株安」という反応になりました。
先週最も目立ったのはAI・半導体株の不安定さです。AI相場が終わったというより、短期間で上がりすぎた銘柄に短期的な利益確定売りが出た週といえます。相場の主役だった銘柄ほど、金利上昇・バリュエーション警戒・需給調整の影響を受けやすくなっていました。
週後半に相場が持ち直した理由は、中東情勢への過度な警戒がやや和らいだことです。週末には米国とイランの戦闘終結に向けた合意期待からリスクオンの流れとなりました。
トランプ米大統領が早ければ週末にもイランとの合意文書に署名する可能性を示したことで、中東情勢への警戒感がいったん和らぎました。イラン側からも、合意に「これまでにないほど近づいている」との発信があり、市場ではホルムズ海峡を巡るエネルギー供給不安が後退するとの見方が広がり、原油価格は大きく下落しました。
また12日には史上最大規模のIPOとして注目されていたスペースXのナスダック上場がありました。
スペースXは公開価格135ドルでIPOを実施し、初値は150ドル、終値は160ドル台となりました。公開価格を大きく上回って取引を終えたことで、同社の時価総額は2兆ドルを超えたと伝わっています。史上最大規模のIPOとして注目されていただけに、初日の好調な値動きは、投資家のリスク許容度がまだ強いことを示す材料となったのでは。
経済指標では6月10日に発表された米5月CPIは、総合指数が前月比0.5%上昇、前年比4.2%上昇でした。4月の前年比3.8%から伸びが加速しており、主因はエネルギー価格の上昇でした。
エネルギー指数は5月に前月比3.9%上昇、ガソリンは前月比7.0%上昇。前年比ではエネルギーが23.5%上昇、ガソリンは40.5%上昇しており、中東情勢による原油高の影響がかなり大きかったことがわかります。
一方で、食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比0.2%上昇、前年比2.9%上昇でした。コアは総合ほど強くなく、ここが市場の安心材料にもなりました。
11日に発表された米5月PPIは、最終需要ベースで前月比1.1%上昇、前年比では6.5%上昇となりました。前年比の伸びは2022年11月以来の大きさです。 特に最終需要財は前月比2.8%上昇し、その背景にはエネルギー価格の上昇がありました。これは個人消費者の物価だけでなく、企業側の仕入れコストにも上昇圧力がかかっていることを示します。
12日に発表された6月の米ミシガン大学消費者態度指数の速報値は48.9となり、過去最低水準だった5月の44.8から改善したことは好感されました。市場予想も上回り、消費者心理の悪化にいったん歯止めがかかったとの受け止めが広がりました。1年先の予想インフレ率は4.6%と前月から0.2ポイント低下、5年先の予想は3.4%と前月から0.5ポイント低下でピーク時と比較してガソリン価格が下落したことが支えとなっています。米国経済の柱である個人消費への不安が和らいだ形です。
雇用が強い、CPIやPPIが高い、原油が上がる。これらは景気の底堅さを示す一方で、FRBの利下げ期待を後退させ、金利上昇を通じて成長株には逆風になります。特にAI・半導体株は、業績期待が大きい分、金利や需給の変化に敏感です。
今後もAI需要そのものは重要テーマであり続けると思いますが(急落時に業績の裏付けがある銘柄を拾えるかどうかが大事になりそうです。)短期的には「良い会社でも、買われすぎていれば下がる」という当たり前のことを思い出させる週でした。
余談ですが6月14日にはトランプ米大統領が80歳の誕生日を迎えており、中間選挙に向けての演出として世界最高峰の総合格闘技団体UFCの試合を大統領公邸の敷地内で開いた模様です。
先週の日経平均株価は、週足で568円08銭の下落。週初の急落から週末にかけて大きく切り返す、非常に値幅の大きい1週間でした。
先週はキオクシアホールディングスの時価総額が44兆円に達して、とうとう時価総額でトヨタ自動車を抜きトップに。
AI・半導体株の過熱感がいったん冷やされた週ではありましたが、同時に押し目買いの強さも確認された週だったといえます。
ドル円は160円台に乗せたものの方向感なく。
さて今週は中銀ウィークですね。
15日~16日の日銀金融政策決定会合では、利上げ(昨年12月以来)がすでにほぼ確実視されています。
16日~17日の米FOMCでは金利据え置きが織り込まれていますが、年内1回の利上げを織り込んできていることとケビン・ウォーシュ新FRB議長体制で初めての会合で注目です。






