週足チャートで振り返る【5月4日週の相場まとめ】 | 三井智映子オフィシャルブログ「ちえこのなかみ」 powered by アメブロ

週足チャートで振り返る【5月4日週の相場まとめ】

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先週の相場を振り返りましょう。

先週の米市場は上昇。

中東情勢への過度な警戒が和らいだことと、AI・半導体関連企業の決算が相場の上昇を支えた一週間でした。S&P500とナスダック総合株価指数は週末にかけて最高値を更新し、いずれも6週連続の上昇となりました。 SOX指数も引き続き最高値を力強く更新しています。









AI・半導体を中心としたハイテク株への買いが続きました。特に、AI投資の恩恵を受ける半導体、データセンター、電力インフラ、クラウド関連への期待は依然として強く、現在の相場ではAI需要の持続性が最も重要な投資テーマになっています。


地政学リスクについてはイラン和平再協議の開催が明らかになったことや、イランが米国に対して戦闘終結やホルムズ海峡の開放に向けた新たな提案を示したと伝わったことで、原油供給への不安がいったん後退しました。

中東リスクは完全に消えたわけではありませんが、原油価格の急騰が一服するとの見方が広がったことで、インフレ再燃や企業コスト増への警戒が和らぎ、投資家心理の改善につながりました。

もっとも、イラン情勢については完全に安心できる段階ではありません。ホルムズ海峡を巡る緊張は続いており、停戦や航行再開への期待が高まる一方で、米国とイランの対立が再び強まれば、原油価格やインフレ懸念を通じて株式市場の重荷になる可能性があります。実際、週末にかけては原油価格が再び反応する場面もあり、中東情勢は引き続き相場の重要な変動要因です。 


個別企業では、AMDの決算が半導体株全体の買い材料になりました。同社の2026年1〜3月期決算は、売上高が前年同期比38%増の102億5300万ドル、非GAAPベースの希薄化後1株利益が1.37ドルとなりました。特に注目されたのはデータセンター部門で、売上高は前年同期比57%増の58億ドルとなり、EPYCプロセッサーやInstinct GPUの需要拡大が業績を押し上げました。これは、AIインフラ投資がGPUだけでなく、サーバーCPUや周辺半導体にも広がっていることを示す内容でした。 

また、サンディスクの決算もメモリー関連株への資金流入を強めました。同社の2026年度第3四半期決算では、売上高が59億5000万ドルとなり、前四半期比で97%増加しました。データセンター向けの売上高が大きく伸びたことに加え、価格上昇も収益を押し上げました。さらに次四半期についても、売上高77億5000万〜82億5000万ドル、非GAAPベースの希薄化後EPS30〜33ドルを見込んでおり、AIデータセンター向けストレージ需要の強さが改めて意識されました。 

この流れは、メモリー株やストレージ関連株にも波及しました。AI相場というとエヌビディアのようなGPUが中心に語られがちですが、先週はメモリー、SSD、HDD、CPUなど、AIインフラを支える周辺領域にも物色が広がった点が特徴的です。AIデータセンターでは、演算能力だけでなく、膨大なデータを保存・転送するためのメモリーやストレージも不可欠です。そのため、半導体相場の主役が「GPU一強」から「AIインフラ全体」へ広がりつつあるとの見方が強まりました。

インテルも週末の相場で注目されました。アップル向け半導体の生産委託を巡って暫定的な合意に至ったと報じられたことで、インテル株は大きく上昇しました。

これは同社のファウンドリー事業にとって重要な前進と受け止められ、米国内での半導体生産強化という政策テーマとも重なりました。AI需要に加え、サプライチェーンの国内回帰という材料も半導体株への買いを後押しした形です。


経済指標では、雇用関連のデータが相場の安心材料になりました。

米労働省が8日に発表した4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比11.5万人増と市場予想を上回りましたが、前月の18.5万人増からは鈍化しました。失業率は4.3%で横ばい、平均時給は前月比0.2%増と市場予想を下回り、賃金インフレの過熱感はやや和らいでいます。雇用は底堅い一方で、賃金上昇圧力は落ち着くという組み合わせは、FRBの利下げ期待を極端に後退させにくく、ハイテク株には支援材料となりました。 

ADP雇用統計も、労働市場の底堅さを示しました。4月の民間雇用者数は10万9000人増となり、3月の改定値6万1000人増から伸びが加速しました。

中東情勢や原油価格上昇への不安が残る中でも、企業の雇用意欲が大きく崩れていないことが確認され、景気後退懸念を和らげる材料となりました。 

JOLTS求人件数では、3月の求人件数が690万件程度でおおむね横ばいとなりました。一方で採用件数は増加し、労働市場が一気に悪化しているわけではないことを示しました。


ISM非製造業景況指数では、4月のISMサービス業PMIは53.6となり、22カ月連続で拡大圏を維持しました。

事業活動指数は55.9、新規受注指数は53.5と、サービス業の底堅さが確認されました。一方で、雇用指数は48.0と2カ月連続で縮小圏にあり、サービス業の雇用面にはやや慎重さも見られます。

さらに価格指数は70.7と高水準にとどまり、原油や燃料価格の上昇が企業コストに残っていることも示されました。


先週の日経平均(7.8日)は3200円53銭の上昇。

連休前の先週から今週にかけてでは2997円47円銭の上昇。約5.0%上昇した形です。

特に大型連休明けの 7日の日経平均株価は、前営業日比3320円72銭高の6万2833円84銭と急騰し、過去最大の上げ幅を記録しました。終値として初めて6万2000円台に乗せています。



背景にあったのは、米国市場での半導体・AI関連株の強さです。メモリー市況の回復期待やAI向け需要の拡大が意識され、キオクシア、東京エレクトロン、アドバンテストなど、日経平均への影響が大きい半導体関連株に資金が集中しました。さらに、アップルがインテルに一部半導体の生産委託で暫定合意したとの報道も、米国の半導体製造回帰やサプライチェーン再編への思惑を強めました。 

一方で、指数の強さほど市場全体が均等に買われているわけではありません。日経平均は値がさの半導体関連株やAI関連株に押し上げられましたが、TOPIXの上昇は相対的に見劣りしており、物色の広がりにはまだ課題があります。つまり、相場全体が全面高というよりも、成長期待の強い一部の大型株に資金が集中する歪な相場が続いていると見るべきです。

この二極化の背景には、地政学リスクとコスト増への警戒もあります。中東情勢を巡っては、米国とイランの戦闘終結に向けた協議進展への期待が出る一方、ホルムズ海峡周辺の緊張は完全には解消されていません。

原油やナフサなどの調達コストが高止まりすれば、化学、素材、輸送、旧来型製造業などには利益率低下圧力がかかります。

これに対し、AIインフラ関連企業は、需要の強さと高い利益率を背景に、外部環境の悪化を相対的に吸収しやすいと見られています。

資金が「コスト上昇に弱い企業」から「構造的に利益成長が見込める企業」へ向かっている点が、今の相場の大きな特徴です。



為替市場では、大型連休中に政府・日銀による円買い介入観測が浮上しましたが、明確な円高トレンドに転じたとは言い切れません。

足元のドル円水準は、輸出企業の想定為替レートと比べても、直ちに業績を大きく圧迫する水準ではないと考えられます。

ただし、来週はベッセント米財務長官の来日や米中首脳会談を控えており、円安や為替介入を巡る議論が再び意識されやすい局面です。為替が一方向に動きにくくなる可能性はあり、輸出関連株を見るうえでは注意が必要です。