10日の日経平均は反発。日銀金融政策決定会合における主な意見について。 | 三井智映子オフィシャルブログ「ちえこのなかみ」 powered by アメブロ

10日の日経平均は反発。日銀金融政策決定会合における主な意見について。

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10日の日経平均株価は、前営業日比635円39銭高の5万0911円76銭と反発。

出来高は24億1605万株、売買代金は6兆0801億円。


米中が追加関税をともに引き下げ(米国は20%→10%、中国は米産大豆への最大15%の報復関税を停止)ることで合意したと報じられたことや、

10月1日から続く米政府閉鎖は41日目となっていますが、政府閉鎖の悪影響が広がってきているなかで上院が修正予算案の手続き動議を可決したことで米政府機関の再開期待(そのため為替がドル高円安方向に)などが買い材料となったよう。

また台湾の半導体大手のTSMCの10月売上高は前年比16.9%増の3674億7300万台湾ドルと前月比11%増となり時間外で株価が上昇したことも半導体関連の支援となったようです。


また日銀金融政策決定会合における主な意見(10月29-30日分)が発表されました。日本銀行は、実質金利がマイナスの状態を維持しつつも、今後の利上げ(金融正常化)に慎重に備える姿勢を示しました。米国の関税政策がもたらす不確実性が和らぎつつある一方で、物価上昇率が2%に近づくなど、物価・賃金の上昇が定着しつつあるとの認識が広がっている、という内容でした。ポイントとしては金利上昇局面が近づく可能性:春以降に緩やかな利上げの議論が具体化する見通しで銀行株や保険株など金融セクターに追い風。住宅・建設関連株はコスト上昇リスクに要注意。内需・賃上げ恩恵銘柄(小売、サービス業など)は中期的に堅調が続く可能性。為替市場では円安要因がやや後退し、日米金利差縮小への思惑が出る局面も、というところでしょうか。

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2025/opi251030.pdf



↓まとめると


【経済情勢:回復は続くが、成長は鈍化気味】

日本経済は「緩やかな回復」基調。一部の製造業では弱い動きもあるが、全体としては堅調。

米国の関税政策の影響は限定的で、輸出業を中心に一部マイナス圧力はあるものの、企業はすでに対策を講じている。

関税政策の先行き不透明感は7月時点よりも「霧が晴れた」状況。

潜在成長率をやや上回るペースでの成長が当面続くとの見方が多数。

新内閣の政策方針はまだ織り込めておらず、財政政策の影響は今後の焦点。

銀行貸出や不動産・M&Aが活発化しており、超低金利環境が企業行動を刺激している。


【物価情勢:2%に近づきつつある】

物価上昇率は一時的に鈍化しているが、先行きは緩やかに上昇し、見通し期間後半には「物価安定の目標(2%)」に概ね整合的と見込む声が多数。

食料品価格の上昇が主要因で、他分野は企業の値上げ姿勢がやや落ち着きつつある。

家計の節約志向が強まっており、今後は賃上げと所得動向が鍵。

インフレ期待は定着:企業・家計ともに予想物価上昇率は約2%。

来年春の賃上げが3年連続で続けば、「物価安定目標の達成」と判断できる可能性が高い。

一部では「物価上振れリスク」への警戒も。賃金上昇が定着し、価格転嫁が進むとの見方。


【金融政策運営:利上げに向けた慎重な地ならし】

経済・物価の改善が続けば段階的な利上げ(緩和度合いの調整)を進める方針。

ただし、米国の関税政策・為替動向・国内賃金の不確実性を踏まえ、予断を持たず柔軟に対応する構え。

注目点:

来春の春季労使交渉での賃上げモメンタム。

米国の金融政策や世界経済の動向。

国内の物価・賃金の持続性。

一部委員は、「利上げのタイミングが近づいている」と指摘。

ただし、新政権の経済政策が見えないため、「もう少し見極めるべき」との慎重論も。

「将来の急激な利上げショックを避けるため、緩やかな金利正常化を進めるべき」との意見も。

金融政策の説明については、

「物価が2%を上回るかどうかだけでなく、賃金・需給・期待インフレ率の構造的要因を丁寧に伝えるべき」との提言もあった。


【政府の見解:財政政策と連携を強調】


財務省

物価高対策と景気下支えのための「総合経済対策」を策定中。補正予算の編成を進行。

日銀に対し、政府との連携を保ちながら、2%物価目標の「持続的・安定的な実現」を要請。


内閣府

米国の通商政策が自動車産業などに影響しているものの、日本経済は緩やかに回復。

「経済あっての財政」「責任ある積極財政」を掲げ、

物価高対策+防衛・成長投資を柱とする総合経済対策を推進。

日銀には引き続き緊密な連携と適切な政策運営を求めている。

※個人的にまとめたものですが、参考になれば幸いです。