16日の米市場は上昇。米債券格下げ、どうなる? | 三井智映子オフィシャルブログ「ちえこのなかみ」 powered by アメブロ

16日の米市場は上昇。米債券格下げ、どうなる?

Ciaoにっこり

16日の米市場は上昇。

ダウ平均は前日比331ドル99セント高の4万2654ドル74セント続伸。



5月の米消費者態度指数(速報値)は50.8と前月の確報値である52.2から1.4ポイント低下し、22年6月以来の過去2番目の低水準に。5カ月連続で低下しており、消費者マインドが冷え込んでいることが見て取れ、個人消費が弱含む見通しです。

また1年先の期待予想インフレ率は1981年11月以来、約44年ぶりの高水準である7.3%でした。インフレ圧力の高まり、不確実性を示す結果となったと考えます。


ただ直近で米国と中国が12日に貿易問題を巡って週末にスイスのジュネーブで行った閣僚級協議において相互に発動した関税率を115%引き下げることで合意したと発表するなど、不確実性の大きな要因の1つとなっていた貿易関税の懸念が後退していることが相場を支えているよう。

また悪材料から8日続落のユナイテッドヘルスが昨日反発したことが指数に寄与しています。



さて16日に米格付け大手ムーディーズ・レーティングスが米国債の長期信用格付けを最上位の「AAA」から「Aa1」へ1段階引き下げたと発表した、と報じられています。米政府の財政赤字の拡大と返済能力に対する懸念を理由としている、とのことで、「世界一安全な資産」と見なされてきた米国債が格下げによりその信用性に疑義が生じたことは、リスク資産からの資金流出を招き、株価下落圧力が強まる可能性があります。安全資産としての魅力が相対的に低下することで、ドル売りが進む可能性も。

「米国債の信認低下 → ドル安 → 円高」という流れが起きれば、日本企業の業績悪化懸念、日経平均の下落も。

とはいえ米国の慢性的な財政赤字と金利負担は今後も続くと見られ、市場は金利・信用リスクの上昇を徐々に織り込んでいく展開が想定されるのかなと。

急な円高は日本株への逆風なので月曜日の値動きに注目したいと思います。