先週の相場を振り返りましょう。色々あったのでちょっと長めです。
Ciao
先週の相場を振り返りましょう。
週足では米市場は下落。
ダウ平均、S&P500は2週続落となり、
ナスダックは8週ぶりに反落となりました。
月足でもダウ平均とS&P500種指数は6カ月ぶりに反落、ナスダックは7月以来の下落となりました。
まず経済指標からおさらいさせてください。
米労働省が29日に発表の9月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が約3年半ぶりの低水準となり、ハリケーン「ヘリーン」と「ミルトン」の影響で、一時的な労働需要の圧迫と見られましたが景気減速への警戒感が台頭。
30日発表の24年7-9月期の米実質GDP速報値は前期比年率で2.8%増とほぼ市場予想通りではあるものの、アメリカ市場の底堅さを示す結果となりました。雇用統計の前哨戦と言われるADP雇用統計は前月比23万3000人増と市場予想を大きく上回りました。
31日発表の9月の米PCE物価指数はほぼ予想通り。コア指数は小幅に市場予想を上回っており、米インフレ継続を示す結果となりました。
1日発表の10月の雇用統計では失業率は予想4.1%に対して結果は4.1%、非農業部門雇用者数は予想11.0万人増に対して結果1.2万人増(2020年12月以来の最小の伸び)で前月分も下方修正されており、事前にハリケーンやボーイングのストライキで軟調予想かつノイズが大きいと言われていたことから一過性の要因ととられたよう。
加えてノイズが大きいと考えられていたことで前回が下方修正されるかどうかと失業率に注目が集まっていましたが、非農業部門雇用者数が思ったより悪かったことと前回、前々回が下方修正されたことから今年もう一回は利下げがあるとの観測につながった模様です。
また平均賃金は、前月比予想0.3%増→結果0.4%増、前年比予想4.0%増→結果4.0%増となっており、米経済の堅調さは変わらないと受け止められた模様です。
FRBが11月6・7日のFOMCで少なくとも0.25%の利下げに動くとの観測が広がっています。
そして大手ハイテク株など米企業の決算発表が相次ぎました。
29日に発表した米半導体アドバンストマイクロデバイセズの決算は売上高が前年同期比18%増の68億1900万ドル、純利益が2.6倍の7億7100万ドルと好調だったものの高い期待に応えられず10-12月期の売上高見通しが前年同期比22%増と市場予想を下回り失望売りに。
アルファベットの2024年7~9月期の決算は売上高、利益ともに市場予想を上回り増収増益。
30日発表のマイクロソフトの決算は7期連続の増収増益、7月-9月の売上高は前年同期比16%増の655億8500万ドルと生成AIを活用したクラウド事業の好調が追い風に。 ただ10-12月期はデータセンター稼働が需要に追いつけず苦慮しておりAzure(アジュール)の増収率は31-32%にとどまる鈍感見通しで売上高見通しが市場予想を下回ったことが嫌気されて株価は下落。
旧フェイスブックのメタも売上高が19%増の405億8900万ドルで増収増益で市場予想を上回る決算となりましたが、高水準の投資を続ける方針で来年AI関連インフラ構築にかかる費用の伸びが大幅に加速すると警告したことが嫌気されました。事業が投資を補えるほど成長できるのか疑問視されているようです。
またアナリストが投資判断を引き下げた半導体設計のアーム・ホールディングスも急落。
アマゾンの売上高はクラウド事業の売り上げ の伸長などから1589億ドル、純利益は153億ドルとともに市場予想を上回りました。アマゾン・ウェブ・サービスも好調。
ショッピング向け生成型AIチャットボットRufusは先月に米国のすべての顧客が利用可能となっています。
好決算を受けて株価は6.2%上昇。
アップルの2024年度第4四半期決算では売上高は第4四半期で過去最高となる949億3000万ドルと前年同期比で約6%増となり、営業利益は1806億8300万ドルで前年比7%増益、四半期の純利益は438億7900万ドルと前年同期比約8.5%増と増収増益。
ただ中国での売上高減少が嫌気されたほか最終利益は9月にEUの裁判所が命じた巨額の追徴課税によって36%減と減少。GAFAMで前年同期比で減益となったのはアップルのみです。
アップルの株価は下落しました。
半導体大手のインテルは7-9月期の最終損益が166億3900万ドルの赤字と、3四半期連続の最終赤字。ただ10-12月期の売上高見通しが市場予想を上回ったことで株価は上昇。ただインテルは25年ぶりにダウ平均から外れることに…。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが1日にダウ平均株価を構成する30銘柄で、インテルを除外してエヌビディアを加えると発表。入れ替えは8日からとなります。
そして迫る米大統領選が接戦であることや 中東情勢を巡る警戒感を背景に、金相場は今週過去最高値を更新。
先週の日経平均は週足で139円高75銭の上昇。注目された衆議院議員選挙は政権与党が過半数を割り込む惨敗、2009年以来となる15年ぶりの過半数割れとなりました。結果を受けて為替は円安方向に動きました。
ただ先週の下落で市場は織り込み済みだったのか、投機的なポジションとなっているのか、今週東京市場は大型株中心に買い戻されてスタート。日本銀行の金融政策決定会合日銀会合の結果は市場の予想通り金利据え置きとなりましたが、ただ日銀の展望リポートでは、米国をはじめとする海外経済の今後の展開や金融資本市場の動向を十分注視すると説明し、来年の物価見通しでは原油など資源価格の下落が押し下げ要因とするも上振れリスクの方が高いと示した(25年のインフレ率を平均2.6%と予想しており、従来予想の1.5%から引き上げたことが大きかったのでは)ことからタカ派と受け止められたことからドル円は円高方向へ。(ロングに傾いていたポジションの巻き戻しの可能性も?)
午後3時半からの植田総裁会見では前回9月に「時間的な余裕はある」という表現を繰り返してきたのを維持するかどうかも注目されましたが、「時間的な余裕はある」という文言を今回の会見で使用しませんでした。(これについて記者からの質問もありました。)毎回の会合で判断していくとの見解で、12月以降の会合で日銀の追加利上げの可能性は総じて高まったと市場は判断したようです。
今週は大統領選もあり、ボラ高そうですね!
5日に大統領選もありますが、東京証券取引所の現物株式の取引時間延長が始まりますね。取引終了が15時から15時30分に延長されますのでご注意ください。