【渾身の長文】#IRアドベントカレンダー、金融アナリストが考えるIR
Ciao
金融アナリストの三井智映子です。
この記事はIRのアドベントカレンダー向けの記事となっております。よろしくお願いします。
まず、企画のシゲマツさんの企画力と継続力に尊敬とともに、今年もお誘い下さったことに感謝を。
ありがとうございます😊
さて、去年は個人投資家さんにIRでチェックしてもらいたいポイントや、自分のIR活動についてお伝えさせていただきました。
https://ameblo.jp/mitsui-chieko/entry-12778089663.html
今年は金融アナリストが考えるIRと題してみたのですが、
IRで企業さまが意識して取り組まれたら良いのではと思うことを、
金融アナリスト、投資WEB(上場企業のIRと投資家をつなぐYouTubeチャンネル)のプロデュースをしている目線から、僭越ながらお伝えできればと思います。
IR活動において上場企業が取り組むべき戦略を構築する際、以下の3つを考慮すると有効だと思います。
①情報開示の透明性の確保
投資家は透明性を高く評価します。企業は財務報告、事業計画、リスク要因などの重要情報を適時かつ公平に開示する必要があります。
リリースは定型もあるのでどの企業さまも問題なく取り組まれている印象ですが、ちょっとした言い回しで印象が変わる部分もあると思います。
業績など、今良いのか悪いのか、も勿論大事ですが、これからどうなのか想像してもらえるように伝えていただくのも大切かと。
業績が悪い際などはセミナーをやりたくないのは人情かと思いますが、悪い時にセミナーをされるのは注目度が高くなることもありますし、例えばセミナーで投資家と対話されることで「こういう時にIRをされる誠実さを支持したい」という投資家さんは実際に一定数いらっしゃいます。
また「今は悪いがここが底打ち」「長期的にホールドしておくと良いかも」という気づきを与えるチャンスになるかもしれません。
②投資家コミュニケーションの強化
一貫性のあるメッセージングとコミュニケーション戦略を策定し、定期的な投資家向けイベント(決算説明会、コンファレンスコールなど)を実施することも大切ですよね。
そのなかでは企業の長期的な成長戦略や差別化要因を明確にし、これらがどのように株主価値の向上に寄与するかを強調する必要がありますし、それをどう理解してもらうかシナリオを作ることが大切だと思います。
投資家との対話を意識して、単なる会社の宣伝にならないよう気をつける必要もあると思います。
IRに取り組まれる企業さまは皆様自社に愛や誇りを持っていると思いますが、ご自身が思う企業の魅力や企業価値と、投資家が知りたい企業価値にはギャップがあることも見受けられます。
私は関わってくださる企業さまにご説明するときに婚活に例えることがあるのですが、
「ちょっと良い人がいたらいいなー」という場で熱く自分のことを語られてもあまり効果はありません。そういう場では簡潔に魅力を伝えて、「もっとしりたい」「次も会いたい」→投資家行動では「もっと知ると得になりそうだからホームページ見てみよう」「株価調べてみたい」となるようにシナリオ作りをした方が良いですし、
「真剣に長くお付き合いしたい!」という方の多い場では誠実にしっかりと起承転結で伝えるなど、戦略は変えた方が良いと思います。
またいずれの場合でも投資家さんには「この企業のIRをなぜ真剣に聞く必要があるのか」の気づきを与えるということが事前、もしくは始まる際に必要だと感じています。(弊社は戦略的にそのサポートをしています。)
加えて投資家からのフィードバックを積極的に収集し、それを戦略的な意思決定(シナリオ作り)に反映していくサイクルが大切でしょう。
③ターゲット投資家の特定
定期的な投資家向けイベントの設定をしていくなかで、理想的な投資家プロファイルを定義し、その投資家が情報を求める媒体やフォーマットに合わせてIR活動を展開する必要があります。
投資家向けイベントは、開催する証券会社や企業によって特色や顧客の違いがあるため、よりたくさんの投資家にリーチするのであれば、数社使い分けて年間でスケジュール化、ポートフォリオ化していくのも良いと思います。
違うところで話すから同じ内容で、というのは登壇者の慣れやシナリオの洗練化には奏功すると思いますが、
少しでいいので、このセミナーではこういう顧客層で、このような狙いで、だからここに焦点をあてて伝える、というのを意識されてシナリオ作りをされるとより良いと思います。
些細なことですと、YouTubeならスマホで見る人も多いからスライドの文字を大きめにするなど、少しのことでも違うかと。
また、ウェブサイトやソーシャルメディアなどデジタルツールの活用により幅広い投資家にリーチしやすくしている企業様も多いですが、
単にやってみるというのではなく(運用会社に丸投げしている企業さまはもったいないなと思うことがあります。)上手にデジタルツールでファンを作れている企業さまを真似る、学ぶことから取り組まれる方が効率的ではないでしょうか。
IR戦略を定期的に評価し、必要に応じて改善する継続的なモニタリングと改善も必要です。
これらのステップを適切に実施することで、投資家との良好な関係を築き、出来高や株価にポジティブな影響を与える可能性が高まると考えます。
最後に
昨日はCOOをつとめるイベントスのセミナーを
投資家目線で聴講しましたが、
色々な目線(来場者様でもベテラン投資家、初心者の方、1人の方、ご夫婦で来られている方で目線は違うと思いますし、企業さま側、講師側、運営側の目線もありますよね)で考えることの重要性を
個人的にも日々感じています。
日々学びです。
自社のでなくてもセミナーにご来場くださる熱心なIR企業さまもいらっしゃいますが、
そのような行動も、企業様のIRに役立っているのではと思います。
こんな感じで私もIRは手探りで調べたりお話を伺ったりトライアンドエラーして模索しながらですので、IRの皆様にお伝えするのは恐縮ですが、
少しでも読んでくださった方のお役に立てばと思い書かせていただきました。
今年もアドベントカレンダーにお誘いいただきありがとうございます。
申し込もうと思ったら枠が埋まっていて裏での参加です。来年は行動力を課題にしますw
IR系Advent Calendar2023はこちら
https://adventar.org/calendars/8911
裏はこちら❤️
https://adventar.org/calendars/8921
もしコメント頂けましたら
IRの社会全体への影響など、ご興味ありましたら、
アナリスト目線でも改めて書いてみたいと思います。
今月から大学生向けに投資を通して社会貢献になるような場を設定する予定です。
オフィスはるのホームページも近日中に開設します。
来年はさらに日本企業と日本の投資家さんのためにお役に立てることを増やしていければと思っています。
引き続きどうぞよろしくお願いします。
追伸
弊社オフィスはる、投資WEB、イベントスの対面セミナーにご興味のある方は個別でお問い合わせいただけますと幸いです。
ブログでもTwitterでも✨✨
ご縁があれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。