経済指標3 | 三井智映子オフィシャルブログ「ちえこのなかみ」 powered by アメブロ

経済指標3

経済指標、あと2つです。


⑦貿易収支

 

貿易収支は皆様もニュースなどで聞いていると思いますが、これが為替にも日本株に非常に大きな影響を与えています。

為替や株式の売買には「仮需」と「実需」があります。

仮需はトレーダーやヘッジファンドなど。価格の変動により売買益を得るという行動ですので、基本的に買ったら売る、売ったら買い戻すということを一定期間内に行います。仮需は、保有する期間が短いので価格が変動してもまた戻る、というように捉えられます。

実需は、例えば貿易をしている企業が自国通貨と他国通貨を交換する取引がこれにあたります。また海外旅行でアメリカに行く際に円をドルに変えるのも実需です。基本的にはそのドルを旅行で遣うので円に戻すことを考えていないわけです。つまり実需が大きくなると価格が変動しっぱなし、という風にもいえますね。貿易収支はこの実需に関係しています。

日本の貿易収支が赤字のとき、円より外貨がたくさん求められるので実需の円売り需要が大きく、黒字だと反対に実需の円買い需要が大きくなります。そのため貿易収支が赤字なのか黒字なのかで為替のトレンドを掴むことができるのです。

貿易収支の求め方は、貿易収支=輸出額-輸入額ととてもシンプルです。

輸出>輸入=「貿易黒字」=円高要因

輸出<輸入=「貿易赤字」=円安要因

輸出額が輸入額を上回れば「貿易黒字」で輸出額が輸入額を下回れば「貿易赤字」となるわけですね。

貿易収支は財務省のホームページで確認可能ですのでぜひチェックしてください。

日本は輸出大国と言われているのをご存知の方も多いかと思いますが、これは1980年の第2次石油危機、オイルショックで原油価格が高騰した後、30年間日本は貿易黒字だったからです。

2011年に東日本大震災での原発事故の影響でエネルギーをたくさん輸入する必要が出たことや円高などを背景に日本は31年ぶりに貿易赤字となっています。しかし2016年に6年ぶりに日本の貿易収支は黒字転換しました。日本の輸出額は70392億円と前年比では7.4%のマイナスだったものの、輸入額が659651億円と15.9%のマイナスとなったことで、輸出>輸入=「貿易黒字」で、貿易収支は4741億円の黒字となりました。


貿易収支が黒字か赤字か、ということと、その国の経済成長は直結はしていませんが、貿易赤字が増えると外国からの資本流入が増えるという面もある、ということは押さえておきましょう。

また中国の経済指標は操作されているかもしれないので信用できない、と言われる方もいますが、貿易収支は他国とのやりとりなので操作しにくいという面があるのでは。中国景気を知るためにも中国の貿易収支も確認しておきたいですね。


⑧景気ウォッチャー調査


景気ウォッチャー調査は街角景気とも言われ、日本経済の状況を最も早く把握できる敏感な経済指標と言えます。

景気ウォッチャー調査とは内閣府が毎月調査しているもの。調査の対象は、地域の景気に関連が深い職業だったり、身近に景気の動きを観察できる人々。具体的に言うとタクシーの運転手や百貨貨店などの店員、また、製造業や金融、 税理士、人材派遣会社の社員など「家計動向、企業動向、雇用等、代表的な経済活動項目の動向を敏感に反映する現象を観察できる業種の適当な職種」、つまり景気を敏感に観察でき、経験則もあると考えられる職業の方々、2050人の協力を得て調査されているのです。そのため景気ウォッチャー調査は街角景気指数とも呼ばれています。 

毎月月末の調査が翌月第6営業日に発表され、速報性が高いことでも注目度の高い指標です。

景気ウォッチャー調査の見方は、景気の現状判断DIが横ばい状態の50より高いか低いかです。高いと良い、低いと弱い結果となります。今の景気を見る景気の現状判断DIと、23カ月先を見る先行き判断DI、両方チェックしてくださいね。内閣府のH Pで最新の結果を見ることができます。1ページ目にその月の結果をまとめてありますので、そこを見るだけでも投資にもビジネスなどの教養としてもお役に立つ経済指標だと思います。

 

とりあえずこの8つはぜひチェックしておいていただきたい、と思います。


最後に経済指標ではありませんが、

チェックすべきもの、

それは政策金利です。

政策金利は一般的に景気が良いと高く、景気が悪いと低く設定されるものです。景気が悪くなってくると景気を良くしたいので中央銀行は政策金利を引き下げます。利下げすると通貨の流通が促進し、金融機関は安い金利でお金を調達できるため企業は安い金利でお金を借りることができ、設備投資などが行いやすくなります。

そうすることで市中にお金が回って経済が活発に動き、景気が良くなる、ということが期待されます。

反対に景気が良くなってくると中央銀行は利上げをします。アメリカの利上げは「アメリカの景気が良くなってきた」ということができるわけです。

 

日本株にとっては、ドル高円安はプラス材料とされます。ただ、利上げは景気の過熱を抑えることになるため、利上げの回数が増えると、どこかのタイミングで株価の下落材料につながってしまいます。米国株が崩れてしまうようだと、後々、日本株にもマイナスの影響が出てしまうことにも注意は必要となります。


為替や株価はもちろん、金利のチャートもトレーディングビューで見られるのでチェックしてみてください。

デイトレをしている人はダウ、ナスダック、そして為替のドル円は押さえておくべきところでしょう。

そして金利と償還期間との相関性を示す曲線であるイールドカーブもチェックしておきたいところです。

私見ではありますが、参考になれば幸いです。