米12月CPIについて
米労働省が11日に発表した12月CPIは前月比-0.1%と、予想通り3月来のマイナスとなりましたね。前年比では1.9%上昇となっています。
CPIは消費者物価指数のことです。
消費者である家庭、世帯が実際に購入している製品や使っているサービスの価格が平均的にどう変動しているのかを測定した指数です。生活費全体、消費に大きく関わっていて、インフレ率に関する重要な指標です。
日本では年金などの社会保障給付を調整する際、このCPIが目安として使われていて、総務省が毎月末頃に当月の東京のCPIと前月の全国のCPIを発表するので総務省のホームページで数字を確認することができます。
コアCPIはCPIから天候によって価格変動が大きい生鮮食品を除いたもので、コアコアCPIはCPIから天候や市況など外的要因によって価格変動が大きくなりやすいとされる酒類を除いた食料とエネルギーを除いたものです。
この2つの経済指標も総務省からCPIとともに別掲として公表されています。この3つの中で一番重視されているのがコアコアCPI。
結果の見方を簡単にいうと、コアコアCPIが上昇するということはインフレ傾向にあるということ。下落していればデフレ傾向ということです。日本でコアコアCPIと言われているものは、世界的ではコアCPIと呼ばれているものにあたります。
米FOMCもこのコアCPIを注目しており、12月のCPIの結果は前月比+0.2%、前年比+2.2%と予想通り11月と同水準となりました。
原油価格などエネルギー価格の下落が影響しているようで、
1月4日に発表された12月の米雇用統計で失業率は3.9%と予想よりは悪ったものの50年来の低水準をキープしており、インフレ指標として注目されている平均時給は前月比+0.4%、前年比+3.2%と予想上振れる賃金上昇の加速となっていますが、
コアCPIはインフレにつながっていないという結果となり、債券利回りは低下しました。
FRBパウエル議長やFRB関係者が利上げに関して慎重な姿勢となっていますが、それを裏付けるような結果と言えるのではないでしょうか。