為替市場についての考察
今日は為替市場について。
主要6通貨に対するドル指数.DXYが昨年11月半ば以来の水準に上昇しました。
イタリアとスペインの政治懸念からユーロが下落していることや、
米朝首脳会談の中止でリスク回避となった流れが、米朝首脳会談予定通り行う方向と報じられたことで北朝鮮情勢を巡る地政学リスクが一服したことなどがドル高につながったようです。
ユーロではイタリア国債利回りが上昇したことや、スペインのラホイ首相に対する不信任決議が提出されて政局への先行き不透明感が台頭し、リスクプレミアムは高まり、ユーロは売られております。
また英ポンドも、英国のメイ首相がEU離脱後にEU間税同盟からも脱退する方針をあらためて示したことで英経済への懸念から下げているようです。
新興国通貨安も連鎖している状況。
インドネシア中央銀行は17日、4年ぶりの利上げに踏み切りました。
また、ブラジル中央銀行も利下げの打ち止めを示唆。
ブラジル通貨のレアルは対米ドルの為替レートは過去最低水準で推移しています。
ほかに、インド準備銀行(中央銀行)も利上げに踏み切るとみられています。
これらの流れには原油高の進行に伴うインフレ率の加速観測や通貨ルピー安の進行などが背景にあります。
トルコリラを見てみますと、
トルコ中央銀行が4ヶ月ぶりの利上げを決定したものの、
10%を上回る高インフレにもかかわらず金利低下を目指すエルドアン氏の政策への不信感や、
来月の大統領選を控えてエルドアン大統領が金融政策への介入を示唆、
影響力の拡大を望むと発言したことで中央銀行の中立性が脅かされるのではと懸念されています。
大手格付け会社はいずれもトルコを投機的(ジャンク)等級に格付けし、S&PもBBマイナスに格下げしています。