中国3月生産者物価指数と中国経済
中国国家統計局が11日発表した3月生産者物価指数(PPI)は前年比+3.1%で、
2月実績の同比+3.7%を下回りました。
3月PPIの市場予想は+3.3%程度で実績値は市場予想を下回っています。
また、3月消費者物価指数は前年比+2.1%で市場予想の+2.6%程度を大幅に下回りました。2月実績は+2.9%でした。
3月のインフレ率は市場予想を大幅に下回ったことから、一部の市場関係者は「中国人民銀行は近日中に貸出金利の引き下げを実施する」と予想しているようです。
PPIの上昇率は1年前の2017年3月には前年比+7.6%でしたが、その後は低下。
昨年10月以降、PPIの上昇率は著しく鈍化しています。
中国政府は2018年のインフレ率目標を3%前後としていますが、直近の消費者物価指数は前年比+2.1%まで鈍化しており、
常識的には金融緩和策か、何らかの景気刺激策の導入を検討するはずです。
中国人民銀行の日々の金融調節などに注目したいところです。
なお、中国の習国家主席は10日、
中国海南省で開催中の博鰲(ボアオ)アジアフォーラムで演説し、
年末までに金融セクターを一段と開放すること、
自動車メーカーの外資保有上限の引き下げ、自動車輸入関税の引き下げ、知的財産権保護の強化、輸入拡大を促進する年1回のイベントを計画すること、世界貿易機関(WTO)政府調達協定への参加プロセス加速を支援すること、
などを表明しました。
中国政府が金融セクターを対外的に一段と開放することを表明したことは注目に値します。
国際金融センターとしての上海の存在感はこれから格段に高まる一方、
東京市場の重要性は大幅に低下する可能性があります。