コーン委員長が辞任、その影響は?
今日の日経平均株価は、
前日比165円04銭安の2万1252円72銭と小反落。
米国家経済会議(NEC)のコーン委員長が辞任するとの意向が報じられたことで為替が円高ドル安に動いていることが重しとなりました。
米ホワイトハウスは6日(日本時間7日朝)、国家経済会議(NEC)のコーン委員長が辞任すると発表しました。
同日のニューヨーク市場でもコーン委員長の辞任観測が流れており、
市場関係者の間では「辞任は時間の問題だった」との声が聞かれています。
輸入関税の賦課を巡る議論が辞任の引き金になったことは疑いないと思われますが、
一部報道によると、鉄鋼とアルミニウムの輸入製品に対して輸入関税を賦課することが発表される直前まで、
コーン氏はロス米商務長官と輸入関税導入の是非を巡って口論していたようです。
ロス商務長官はトランプ大統領に対して輸入関税の導入を勧めていたと報じられています。
コーンNEC委員長の辞任報道を受けてNYダウ先物は大幅安となっており、
日本時間午後3時35分現在、386ドル安の24466ドルで推移しています。
コーンNEC委員長辞任の影響について市場関係者の間からは
「鉄鋼とアルミニウムが米経済に占める部分は小さいことから、大幅な価格上昇や生産低下などは予想されないものの、輸入関税賦課の対象が他の製品にも及んだ場合、株式市場は価格上昇、生産低下、雇用減少などを連想するかもしれない」、
「株式市場は政権内におけるコーン氏の影響力に期待した部分があったようだが、同氏の辞任はトランプ政権の経済政策全般に対する信頼感を損なう結果になりかねない」
などの悲観的な意見が出ています。
一部の識者はトランプ政権による輸入関税計画は、
今秋行なわれる中間選挙や今月13日に予定されているペンシルバニア州南西部18区での連邦下院補欠選挙を意識したものではないか?
との見方も出ています。
ペンシルバニア州のピッツバーグは製鉄、鉄鋼等の重工業が主要産業となっています。
トランプ大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で米国が優位に立つことを考えているかもしれませんが、
欧州、中国、WTOの対応次第で米国は今回の「闘争」で苦杯を喫する結果になることもあり得ます。
各国の対応に注目したいと思います。