セミナー追記①経済指標 | 三井智映子オフィシャルブログ「ちえこのなかみ」 powered by アメブロ

セミナー追記①経済指標

仙台セミナー、無事に終了致しました!
ありがとうございましたー!!!
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さて恒例の?セミナー追記です\\\\٩( 'ω' )و ////
経済指標を押さえておきたいという方!素晴らしいです!
毎回見ていると習慣になりますし、知識は蓄積しますよ(⌒▽⌒)!

私が最低限これは外せない!と思う経済指標をご紹介させていただきます。大きく⑦つの経済指標を押さえていただきたいです!


①FOMC


FOMCとは、連邦公開市場委員会=Federal Open Market Committeeの頭文字をとったものです。ご覧になっている方もこれは多いですよね。

中央銀行は日本では日本銀行ですが、アメリカですとFRBになります。FRBは大統領が任命する7人の理事で構成されていて、議長が統括しています。現在の議長はジャネット・イエレン氏です。来年2月にパウエル氏に変わります。そのFRB議長に加え、FRB理事全員の7名と、ニューヨーク連銀とそのほかの地区の連銀総裁4名の計12名で構成されているのがFOMCで、アメリカの金融政策の最高意思決定機関であり、ニュースで「FOMCが開催され」と言われるのは金融政策を決定する会議のことを指します。

アメリカの金融政策を決定するということは世界経済に大きな影響を与えます。そのためFOMC後に発表される声明文は世界中が注目しています。結果が株価や為替を大きく左右するのです。声明文の内容や議長の会見の内容が予想通りでも動くことが多いですが、予想と異なってサプライズとなればマーケットは本当に大きく反応します。

FOMCでは雇用の最大化や物価の安定を目指しています。そのためFOMCを押さえると景気がわかり、政策の方向性を見通すことができます。FOMCは年8回開催されていますが、その中でも3、6、9、12月のFOMCの後は議長の会見もあるため、大きな決定がされることも多いので、いつも以上に注目度がアップします。米ゴールドマン・サックスは2018年は3、6、9、12月のFOMC全てで利上げすると予想しており、利上げするかどうか2018年も大きく注目されるでしょう。

アメリカが利上げをし、金融引き締めの方向に動いていますが、リーマンショック前以上に景気が回復していると言われるのに当時の金利水準と比べるとまだまだ低金利だということは覚えておいてくださいね。


②雇用統計


雇用統計とはアメリカの労働省が毎月発表する、米国の雇用情勢を調べた景気関連の経済指標のことです。景気が強いかどうかがわかります。アメリカでは雇用が重視されているのでそのぶんとても注目度が高いです。こちらもチェックしている方が多いのでは。

アメリカは移民が増えているのでどんどん雇用も増えているのですね。

因みに雇用を最重視している中央銀行はアメリカだけです。 


雇用統計は原則毎月第1金曜日に発表され、これは日本の時間に直すと、夏時間では日本時間午後9時半、冬時間では日本時間午後10時半に発表されることになります。

雇用統計では、失業率、非農業部門就業者数、建設業就業者数、製造業就業者数、小売業就業者数、金融機関就業者数、週労働時間、平均時給などの10数項目の数字が発表されます。しかし、全部チェックしなくても大丈夫!チェックしてほしいのは、非農業部門雇用者数と失業率、そして最近注目されている時給の伸び率です。


非農業部門雇用者数は、

非農業部門に属する事業所の給与支払い帳簿を基に集計されたもので全米の約1/3を網羅していると言われています。簡単にいうと農業以外の仕事をしている雇用者の数の移り変わりです。農業に従事している人はあまり転職しないのでは…ということで省かれているようですよ。多い方が景気がいいと判断されます。


失業率は、

失業者を労働力人口(失業者と就業者の合計)で割ったもので約6万の世帯が調査対象となっています。5%でほぼ完全雇用といわれており、低ければ低いほど良いと判断できます。そして最近は5%より低い状況が続いています。

時給の伸び率は、

今まさにアメリカの経済の強さを表しているといえます。最近は非農業部門雇用者数は安定しており失業率もほぼ完全雇用…となると何で判断するの??となっており、時給の伸び率が注目されているというというわけです。


非農業部門雇用者数や失業率、時給の伸び率は事前に予想が出ます。そしてその予想より良かったか悪かったかが重要となります。

予想より悪い結果だった場合、

簡単にいうと「思ったよりよくなかったなー、期待外れだったなー」ということになり、「アメリカの景気が思ったより成長してないからアメリカ株とかドルとか売っておこう」となります。

難しくいうと「米国の雇用情勢や経済の健全性への不透明感から、リスクオフの株売り、円買いが優勢になる可能性もあります。」

予想より良い結果だったが出れば、「思ったよりよかった!」と、「改善基調が継続している」と見なされもう一段買い戻しが入ることが考えられます。

雇用統計前はそれを見極めたいとの考えから様子見ムードになることも多いわけです。また雇用統計後は為替などが急激に動くことも多いので、機会があればドル円などのチャートをぜひ見てみてください。

労働省が発表される雇用統計よりちょっと早く発表される、民間調査のADP全米雇用報告は、雇用統計の先行指標とされており、チェックしている人も多いので、こちらもチェックしてみてくださいね。


③PCEコアデフレーター


PCEデフレーターは正式にいうPersonal Consumption Expenditures Deflator. ともっと長いのです。名目個人消費支出(名目PCE)を実質個人消費支出(実質PCE)で割ったもので、簡単にいうと個人消費の物価動向を示す指標です。

PCEデフレーターの変動が物価変動となることを把握していただければオーケーです。

PCEデフレーターの変化率がプラスなら物価が上昇している、つまりインフレーション。マイナス変化なら物価も下落、つまりデフレーションとみることができます。また米国消費者物価指数(CPI)より調査範囲が広いこと、個人の支出項目を対象としていることが特徴です。

PCEデフレーターの中でも、個人消費支出関連のインフレを示す指数のうち価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたものを「PCEコアデフレーター」といいます。このPCEコアデフレーターこそが、FRBが物価指標の中で最も!重要視!しており、金融政策の参考となるものといわれていますので覚えてくださいね。

この経済指標は米商務省が個人所得、個人支出と同時に毎月月末に発表しますのでぜひ注目してみてください。


④GDP


GDPは、その国内で生産された物やサービスの総額です。

ほとんどの国で発表されていて、その国の経済規模を測る指標として、最も使われる指標です。日本株に投資しているのであればアメリカと日本、そしてできればドイツと中国を押さえておきたいですね。

GDPはGross Domestic Productの略で、

国内総生産のことです。国内で1年間に新しく生みだされた生産物やサービスの金額の総和のことをいいます。そのためGDPはその国の経済の力の目安によく用いられます。

多くの統計が個人消費や設備投資など、経済の一面を表す統計なのに対して、GDP

は一国の経済を包括的に表す統計だといえます。伸び率が経済成長率に値します。ストックに対するフローをあらわす指標ということです。

ちなみに資産、負債などをストック、生産、消費・投資などをフローといいます。

国内総生産には市場で取引された財やサービスの生産のみが計上されるため、家事労

働やボランティア活動などは国内総生産には計上されません。

アメリカは年4回集計をしますが、「速報値」、「改定値」、「確報値」の3種あり、毎月何らかの発表があります。注目度が高いのは、「速報値」です。

 

⑤日銀金融政策決定会合


日銀はご存知、日本の中央銀行である日本銀行です。中央銀行というのは、国の金融組織の中心的機関であり、国家の公共的な銀行、金融組織の中核となる銀行のこと。中央銀行だけが通貨を発行することができます。通貨を発行することを「銀行券を発行する」といいます。みなさんの普段使っている日本のお札には日本銀行券と書いてあります。

中央銀行の仕事は市中や銀行に資金を供給したり、通貨量の調整を行うことです。

各金融機関は日本銀行に口座を持っていてお金を預けています。

足元のマイナス金利は、この預けたお金の金利がマイナスになる、ということです。

また、政府の委託を受けて、国債の発行や外国為替の決済処理など国のお金を管理しています。国庫の支出や保管などの政府の銀行としての業務も行なっています。

日銀金融政策決定会合において、文字通り金融政策を決定するのも日本の中央銀行たる日本銀行の仕事なのです。

では日本銀行の誰が、重要な意思決定を行なっているかというと、最高意思決定機関である政策委員会です。政策委員会で議論し、多数決で決定されます。

政策委員会は、総裁、副総裁2人、審議委員6人で構成されています。これらの計9人の政策委員会委員は、日本銀行法第23条第1項に基づき、衆議院と参議院の同意を得て、内閣が任命します。

総裁、副総裁、審議委員の任期は5年となっていますが、再任もあります。

日銀金融政策決定会合は年8回、それぞれ2日間開催されます。

スケジュールは原則として年央頃を目途に翌年の予定が公表され、会合終了後にはすぐに会合の決定内容が日銀のHPに公表されることとなっています。発表は開催最終日の12時前後なのでその時間帯は為替、株の取引に注意が必要です。

日銀金融政策決定会合で話し合われる内容は、金融市場調節方針や金融政策手段、経済や金融情勢に関する基本的見解の決定、変更などとなっています。

現在の黒田総裁の発言にも注目が集まりますのでチェックしましょう。


⑥日銀短観

日銀短観は正式には「全国企業短期経済観測調査」と言います。日本銀行が4半期(3、6、9、12月)ごとに全国約1万社の企業を対象に調査をし、4、7、10月の初旬、12月の中旬に公表します。企業の短期的な経済の観測を調べたものであり、企業のマインドを表した指標となっています。景気の現状や先行きを判断する代表的な統計の一つです。

日銀短観は、経済指標の中でもアンケート回収率が高く約99%となっています。

「企業のマインドを表した指標」と言いましたが、最近の業況と先行きの業況について、良い、さほどよくない、悪い、の三択で選んでもらい、良い-悪い、で業況を判断します。一社一票なので一票の格差はあるものの、全国の大企業のみならず、中堅、中小企業をあわせた約1万社からアンケートを取っているのでサンプル数も多く、信頼性のある、注目度のとても高い指標です。株価に与える影響も大きいので注目してくださいね。中でも特に企業の景況感を示す業況判断指数(DI)の注目度は高くなっていて、セクター別の株式投資の判断指標としても活用されています。

一般的には「日銀短観」で知られており、海外でも「Tankan」と言われています。世界的にもメジャーな指標なのです。


⑦貿易収支


貿易収支は皆様もニュースなどで聞いていると思いますが、これが為替にも日本株に非常に大きな影響を与えています。

為替や株式の売買には「仮需」と「実需」があります。

仮需はトレーダーやヘッジファンドなど。価格の変動により売買益を得るという行動ですので、基本的に買ったら売る、売ったら買い戻すということを一定期間内に行います。仮需は、保有する期間が短いので価格が変動してもまた戻る、というように捉えられます。

実需は、例えば貿易をしている企業が自国通貨と他国通貨を交換する取引がこれにあたります。また海外旅行でアメリカに行く際に円をドルに変えるのも実需です。基本的にはそのドルを旅行で遣うので円に戻すことを考えていないわけです。つまり実需が大きくなると価格が変動しっぱなし、という風にもいえますね。貿易収支はこの実需に関係しています。

日本の貿易収支が赤字のとき、円より外貨がたくさん求められるので実需の円売り需要が大きく、黒字だと反対に実需の円買い需要が大きくなります。そのため貿易収支が赤字なのか黒字なのかで為替のトレンドを掴むことができるのです。

貿易収支の求め方は、貿易収支=輸出額-輸入額ととてもシンプルです。

輸出>輸入=「貿易黒字」=円高要因

輸出<輸入=「貿易赤字」=円安要因

輸出額が輸入額を上回れば「貿易黒字」で輸出額が輸入額を下回れば「貿易赤字」となるわけですね。

貿易収支は財務省のホームページで確認可能ですのでぜひチェックしてください。

日本は輸出大国と言われているのをご存知の方も多いかと思いますが、これは1980年の第2次石油危機、オイルショックで原油価格が高騰した後、30年間日本は貿易黒字だったからです。

2011年に東日本大震災での原発事故の影響でエネルギーをたくさん輸入する必要が出たことや円高などを背景に日本は31年ぶりに貿易赤字となっています。しかし2016年に6年ぶりに日本の貿易収支は黒字転換しました。日本の輸出額は70兆392億円と前年比では7.4%のマイナスだったものの、輸入額が65兆9651億円と15.9%のマイナスとなったことで、輸出>輸入=「貿易黒字」で、貿易収支は4兆741億円の黒字となりました。

また財務省が4月20日に発表した2016年度の貿易統計速報(通関ベース)によると、貿易収支は4兆69億円の黒字となっています。

これには輸入の2割近くを占めるエネルギー関連価格が下落したことが大きな要因としてあげられます。また円高進行も寄与しました。

貿易収支が黒字か赤字か、ということと、その国の経済成長は直結はしていませんが、貿易赤字が増えると外国からの資本流入が増えるという面もある、ということは押さえておきましょう。

また中国の経済指標は操作されているかもしれないので信用できない、と言われる方もいますが、貿易収支は他国とのやりとりなので操作しにくいという面があるのでは。中国景気を知るためにも中国の貿易収支も確認しておきたいですね。


いかがでしたか?今回⑦つの中でアメリカの経済指標が多いなと感じられた方、いらっしゃいますよね?

世界の株式市場の時価総額構成ウェートはアメリカが約4割と圧倒的に多くを占めています。アメリカの株の行方が短期的に日本株を動かす要因にもなるわけです。ですから、日本株に投資している方もアメリカの経済を押さえておくことがとっても大切なわけですね。


最後に経済指標ではありませんが、

チェックすべきものを挙げたいと思います。

それは政策金利です。

政策金利は一般的に景気が良いと高く、景気が悪いと低く設定されるものです。景気が悪くなってくると景気を良くしたいので中央銀行は政策金利を引き下げます。利下げすると通貨の流通が促進し、金融機関は安い金利でお金を調達できるため企業は安い金利でお金を借りることができ、設備投資などが行いやすくなります。そうすることで市中にお金が回って経済が活発に動き、景気が良くなる、ということが期待されます。反対に景気が良くなってくると中央銀行は利上げをします。アメリカの利上げは「アメリカの景気が良くなってきた」ということができるわけです。


皆さんも金利の低い通貨より高い通貨に魅力を感じますよね?だからドルが利上げするとドルが買われてドル高傾向になります。

日本株にとっては、ドル高円安はプラス材料とされます。ただ、利上げは景気の過熱を抑えることになるため、利上げの回数が増えると、どこかのタイミングで株価の下落材料につながってしまいます。米国株が崩れてしまうようだと、後々、日本株にもマイナスの影響が出てしまうことにも注意は必要となります。

また景気を把握するために、金利と償還期間との相関性を示す曲線であるイールドカーブも必須です。

デイトレをしている人はダウ、ナスダック、そして為替のドル円は押さえておくべきところでしょう。