米税制改革についての考察
米下院は16日、2018年に法人税率を現行の35%から20%に引き下げることを盛り込んだ税制改革法案を賛成多数で可決しました。
多くの市場関係者が想定していた動きではありますが、
米税制改革実現へ一歩前進したと受け止められており、ドル買い材料となりました。
16日に米長期金利が上昇したことや、
米株式相場が反発したことは税制改革実現に対する期待の表れでしょう。投資家心理の改善にもつながり、
ドル相場に対する支援材料になっているようです。
ただし、米税制改革をめぐっては、上院案では法人税の引き下げ時期や州・地方税控除の扱いなどについて下院案と相違があることから、
議会通過に必要な法案一本化の調整は避けられない状況です。
市場関係者の間からは「悲観論ではないが、調整は間違いなく難航する」との声が聞かれており、
短期間で調整作業を終らせることは難しいようです。
17日の東京市場でドル・円が112円40銭まで下げたのは、税制改革法案に絡んだ話ではなく、別件であるとみられていますが、
法案一本化に向けた進展が20日になっても見られない場合、市場関係者の不安が強まる可能性は高いと思われます。