5月PCEコア指数は本日発表
本日30日発表される米5月PCEコア指数は前月比+0.1%、前年比+1.4%と予想されており、
上昇率はいずれも4月実績を下回る見込みです。米連邦公開市場委員会(FOMC)はコアPCEの数値をインフレ目標の参考指標にしていますが、
同指数は今年2月に1.8%まで上昇したものの、
3月以降の上昇率は鈍化しています。
市場関係者の間では、
コアPCEの上昇率が2%に届かなくても1.7%-1.8%になれば利上げを継続できるとの見方が多いようです。
ただし、失業率は4.3%まで低下しても賃金上昇は抑制されていることから、
コアPCEの上昇率は2%をかなり下回る水準(1.5%前後)で推移し、
2018年も2%の目標水準を下回る状態がしばらく続くと予想されています。
一部の市場関係者からは、
「米バランスシートの縮小がコアPCEの動向に与える影響についてFOMCは精緻に分析し、中長期的なインフレ見通しに反映させることが必要になる」
との声が聞かれています。
さてこのPCEデフレーターは正式にいうと、Personal Consumption Expenditures Deflator.ともっと長いのです。名目個人消費支出(名目PCE)を実質個人消費支出(実質PCE)で割ったもので、簡単にいうと個人消費からみた物価動向を示す指標です。
PCEデフレーターの変動が物価変動となることを把握していただければオーケーです。
PCEデフレーターの変化率がプラスなら物価が上昇している、つまりインフレーション。マイナス変化なら物価も下落、つまりデフレーションとみることができます。また米国消費者物価指数(CPI)より調査範囲が広いこと、個人の支出項目を対象としていることが特徴です。
PCEデフレーターの中でも、個人消費支出関連のインフレを示す指数のうち価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたものを「PCEコアデフレーター」といいます。このPCEコアデフレーターこそが、FRBが物価指標の中で最も!重要視!しており、金融政策の参考となるものといわれていますので覚えてくださいね。
この経済指標は米商務省が個人所得、個人支出と同時に毎月月末に発表しますのでぜひ注目してみてください。
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http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20170203-00933004-fisf-bus_all