地政学的リスク増大への懸念
米国によるシリア攻撃によって地政学的リスク増大への懸念が一気に高まっていますね。
ニュースにもなっていますがマーケットにも大きな影響を及ぼしますのでまとめてみたいと思います。
米国による武力行使は国連憲章51条(自衛権の行使)に基づくとは言い難いことや、
安保理の承認がないことから、
合法ではないとの見方が一般的です。
武力行使は米国議会の事前承認を経ていないことから、
市場関係者の間からは、
米国の単独行動は北朝鮮や中国に対する強烈な圧力(メッセージ)になるとの声が聞かれており、
中国は北朝鮮に対して新たに制裁を加えるのではないか?との思惑が浮上しています。
北朝鮮がそのような圧力に屈せず、
敵対意識を強めた場合、
北東アジアにおける地政学的リスクは急激に高まるとみられています。
株式、為替のマーケットが混乱することは避けられないことから、
週明け10日の東京市場の動向が注目されます。
ところで、トランプ大統領がシリア攻撃を決断した理由については多くの憶測が飛び交っています。
ロシア政府は、4月4日のイドリブ近郊の村での化学兵器拡散は、
この地域一帯を支配しているアルカイダ(ヌスラ戦線)の武器庫をシリア軍が空爆で破壊した際、
武器庫に貯蔵されていた化学兵器用の物質が飛散して村人が犠牲になった可能性が高いと説明しているようです。(タス通信)
そもそもシリアは2013年に国連決議を受け入れて化学兵器を全廃し、
現在も国際的に監視されています。
シリア政府も化学兵器使用を完全に否定していますが、
化学兵器の廃棄を行ったのは主に米軍です。
識者の間ではシリア軍は化学兵器を保有していないとの見方が定着しています。