3月の米消費者信頼感指数 | 三井智映子オフィシャルブログ「ちえこのなかみ」 powered by アメブロ

3月の米消費者信頼感指数

さて、

28日発表された3月の米消費者信頼感指数は市場予想の114程度を大幅に上回る125.6に上昇しました。

米民間調査機関コンファレンスボードによると、

3月の消費者信頼感指数は、

200012月(128.55)以来の高水準です

現況指数は143.120018月以降における最高値を記録。

向こう6カ月の期待指数は113.8で、

20009月以来の水準でした

 

トランプ政権への一般消費者の期待が相当高いことが想像できるデータですが、

市場関係者の間では「米国ヘルスケア法(オバマケア代替法案)が撤回されたことでトランプ政権に対する一般消費者の期待はやや低下しているのではないか?」との声が聞かれています

税制改革(減税)や規制緩和などの重要課題への取り組みが遅れた場合、

消費者信頼感は急低下する可能性があるとの見方も出ています

 

トランプ政権の不確実性に対する市場の懸念は多少緩和されており、

米長期金利は反発していますが、

政策運営全般に対する市場の評価は定まっていないため、

少なくとも金利見通しについては予断を持てない状況が続くことになりそうです


一応、消費者信頼感指数について解説させて頂きますね。

アメリカの民間調査機関であるコンファレンス・ボードが発表する、5000世帯を調査対象として月単位でアンケートを集計した消費者マインド指数です。

消費者の生の声を集計しており、個人消費との連動性が高い指標となっています。

毎月25日から末日に発表されます。月末だと思っていただければ。

アメリカではGDPの約7割が個人消費。ということは消費者マインドがどうなっているのかが、景気を判断する上でとってもとっても大切なのです。

消費者信頼感指数の推移を中長期的に見ると、ダウ平均のチャートとかなり親和性があるということがわかりますのでチェックして損はないと思います!


消費者信頼感指数は1985年を100として消費者を対象に現在と半年後の景気状況について「楽観」か「悲観」のどちらかで回答してもらい、集計したものです。

現状への評価を示すと現況指数と、6ヵ月先の景況感を示す期待指数があり、その項目は景況感、雇用、6ヶ月後の景況、雇用、所得予想、今後6ヶ月間以内に購入予定の自動車、不動産、家電など多岐に渡ります。

消費者信頼感指数の判断方法はとても簡単です。数値が前回よりも高いか低いかで判断します。高いということは消費が活発になってきているため景気が好転している、消費が堅調で、経済全体の下支えとなる、といえます。

悪ければ消費が減ってきているので景気が悪化していると判断できます。


少し遡って消費者信頼感指数の結果を見てみましょう。


2016年12月27日に発表された、2016年12月の消費者信頼感指数は1985年を100として113.7で、前月の改定値から4.3ポイント上昇。

上昇は2カ月連続で2001年8月以来15年4カ月ぶりの高い水準となっています。

市場予測は109.8程度でしたので、

市場が思っている以上に力強く消費が良くなっているということが判断できます。

2016年11月の米大統領選挙でトランプ氏が当選してからアメリカの投資家心理が大きく上昇していることが伺えます。


2017年1月31日に発表された2017年1月の米消費者信頼感指数は111.8と前月から低下。

市場予想は113.0程度でしたのでそれを下回りました。

大統領選後に期待感から消費マインドが上昇することはよくあること。

今回はそのマインドが落ち着いてきて一服感がある状態といえるでしょう。

今後は政権が具体的な政策を発表できるか、消費者心理を掴んでいけるかに左右される傾向にあるようです。


2017年2月28日に発表された2月の消費者信頼感指数は114.8と、

前月の改定値111.6から3.2ポイントと2カ月ぶりの上昇。

2001年7月以来15年7カ月ぶりの高水準で、市場予測111.5程度より大きく上振れしました。ダウ平均が力強い値動きをしている中消費者マインドも上向きで、

景気拡大への継続期待が続あるようです。


余談となりますが、

消費者信頼感指数のほかにも米国の消費者マインドを表す指数にはミシガン大消費者信頼感指数があります。

しかし消費者信頼感指数の対象者が5000世帯なのに比べミシガン大学消費者信頼感指数の速報300世帯、

確報500世帯と少なくなっているので、

消費者信頼感指数の方がより信頼性が高く重視されています。