米大統領選と恐怖指数
米ワシントン・ポスト/ABCが10月27日-30日に実施した世論調査によると、
米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏の支持率は46%に上昇し、
民主党候補ヒラリー・クリントン氏の45%をわずかに上回りました。
米連邦捜査局(FBI)によるクリントン氏への捜査再開が報じられた10月28日時点では、
「FBIによるクリントン氏への捜査再開の行方は予測困難ではあるが、大統領選に大きな影響を及ぼす可能性は高い」
との見方が広がっていました。
ただし、10月28日時点でトランプ氏の米大統領就任の可能性を市場が十分織り込んでいるとは思えないことから、
米大統領選が行われる11月8日にかけて市場のボラティリティーは急速に高まる可能性があります。
恐怖指数と呼ばれているVIX指数(米S&P500を対象とするオプション取引の値動きを元に算出・公表されている指数)は、
1日の取引で9月12日以来となる20.43まで上昇しました。
1日のVIX指数は18.56で引けていますが、
米大統領選の行方については予断を許さない状況となっていることから、
VIX指数が再上昇する可能性は十分あります。
参考までにVIX指数の今年の高値は1月20日の32.09。
(リーマン・ショックが発生した2008年には10月24日に89.53まで上昇したことがあります)
短期的には米ドル、米国株、原油先物などの上値は重くなり、
債券、金先物などが買われやすい状況になりつつあります。
日本株への影響も懸念されており、市場関係者の間では株安・円高の進行が警戒されています。
市場は「トランプ・リスク」という言葉を使っていますが、
アメリカ再生のために、
既得権者に果敢に挑む彼の行動を多くの人が支持している、との見方もできます。
いずれにせよ、
8日まで両陣営予断を許さない状況です。
注視してまいりましょう。
