やさしく解説☆雇用統計について
さて、昨日は米雇用統計の発表でした。
まず米雇用統計についておさらいしてまいりましょう!
(先月読んで理解された方はおさらいは読み飛ばしてOKですよ☆)
経済界では特に、毎月発表されるアメリカの雇用統計が重視されます。
原則毎月第1金曜日に発表される米雇用統計は、
日本の時間に直すと、夏時間では日本時間午後9時半、
冬時間では日本時間午後10時半に発表されることになります。
今月から夏時間…サマータイムに移行しましたので午後9時半の発表でした。
米雇用統計は、アメリカの労働省が毎月発表する、米国の雇用情勢を調べた景気関連の経済指標のことです。
失業率、非農業部門就業者数、建設業就業者数、製造業就業者数、小売業就業者数、金融機関就業者数、週労働時間、平均時給などの10数項目の数字が発表されます。
そのなかで特に注視すべきなのは
非農業部門雇用者数と失業率です。
非農業部門雇用者数は非農業部門に属する事業所の給与支払い帳簿を基に集計されたもので全米の約1/3を網羅していると言われています。
失業率は失業者を労働力人口(失業者と就業者の合計)で割ったもので約6万の世帯が調査対象となっています。
非農業部門の就業者数は景気動向を敏感に反映すると言われ、
非農業部門雇用者数が下振れした場合、
米国の雇用情勢や経済の健全性への不透明感から、リスクオフの株売り、円買いが優勢になる可能性もあります。
統計が上振れ、良い数字が出れば、改善基調が継続していると見なされもう一段買い戻しが入ることが考えられますが、
米経済の先行き不安が払拭されるかは疑問で積極的に上値は追いにくい傾向にあります。
雇用統計前はそれを見極めたいとの考えから様子見ムードになることも多いわけです。
アメリカの中央銀行であるFRBが雇用の最大化と物価の安定を推進しており、
ドルが早期利上げするか否かを見極めるという点でも非常に注目度が高いんですね!
足元では時間あたり賃金市場が注目されているのでこれもチェックが必要でしょう。
さてさて、雇用統計の先行指標である3月のADP雇用統計において、
民間部門の雇用者数が前月から20.0万人の増加と市場予想を上回っていました。
20万人というのは労働市場の堅調な改善の目安とされる節目でもあるため、
今月の雇用統計は堅調かな?との予測も出ていました。
では今月の雇用統計はどうだったかというと…
非農業部門雇用者数の市場予想は+20.5万人
失業率は4.9%でした。
そして今月の
非農業部門雇用者数は+21.5万人
失業率は5.0%となりました。
失業率は先月も、そして予測も4.9%だったので僅かに悪化しましたが、
非農業部門雇用者数は+1万人と、
予想を上回って堅調に増加しました!
また時間当たり賃金も前年同期比2.3%増と、プラスに転じています☆
分野ごとに見てみると、飲食店や建設業などが好調。
しかし石油関連や製造業は減少している状況です。