GDPについて2
GDPは個人消費、設備投資、政府の支出、輸出入などで構成されています。
GDPを構成する最大の項目は家計の消費活動を示す「民間最終消費支出」で、約 56%を
占めています。
また、個人消費と並ぶ国内民需の柱である「民間企業設備投資」はGDPの約 15%。
ほかに政府部門では公共投資を示す「公的固定資本形成」や「政府最終消費支出」、
海外の需要を表す「輸出」などがあります。
GDPには、
価格変動が含まれる「名目GDP」、
価格の変動を除いた「実質GDP」があります。
名目GDPはモノやサービスの付加価値を合わせたもので、
実質GDPは名目GDPから物価の変動を除いたもの、といえばわかりやすいでしょうか。
経済成長率をいう場合には「実質GDP」の伸び率を指すことが多いです。
また、経済成長率はGDPが1年間でどのくらい伸びたかを表わすものです。
経済が好調なときはGDPの成長率は高くなり、不調なときは低くなります。
ここで、国内総生産(GDP)と国民総生産(GNP)、国民総所得(GNI)についてみていきまし
ょう。
GDPは生産者が日本人、外国人を問わず、
国内で生産された付加価値の総計です
一方GNPは、生産の場所が国内国外問わず、日本人が受け取った所得の総額を指します。
GNP=GDP+海外からの要素所得なわけです。
とはいえ、国内の景気動向を把握するためには経済主体の国籍にかかわらず、国内の
すべての経済活動を対象としたほうがよいのでは?という観点から、近年はGNPより
GDPが重視される傾向にあります。
また経済指標としては、2000年頃から国民総所得(GNI)の方が、より使われるように
なっているようです。
93SNAの導入に伴ってGNPの概念がなくなり、
同様の概念としてGNIが新たに導入されたのです。
アベノミクスのなかでもしばしば出てくるGNI。
日本企業や国民が国内外で得た所得の総額を示す指標です。
1人当たり名目国民総所得(名目GNI)は中長期的に年3%を上回る伸びとなって10 年後には 150万円以上増加することが期待される、という目標が政府の成長戦略のなかに盛り込
まれています。
GNIは、GDPに海外の投資に対する収益と交易条件の変化を加えて計算されていて、海外での稼ぎから海外への支払いを差し引いているので、目標として適切と判断された
ようです。
政府の成長戦略でも新興国などの成長を取り込むことを目標に掲げていますものね。
GDPもGNIも豊かさを表す数値です。
2013年4~6月期の国内総生産速報値は、前期比
で年率2.6%の増加と、市場予想(3.6%)を大きく下回ったことが株価にマイナス材料として作用しました。
これは消費増税に対する慎重論が強まることへの警戒感で、実施時期の先送りされたり、引き上げ率の3%からの圧縮などが打ち出された場合、事実上の国際公約として受け止めている外国人投資家からの日本株売りが想定されるからです。
2013年7-9月期の国内総生産速報値によると、
物価の影響を除いた実質GDPは前期比年率1.9%増(季節調整済み)となっています。
内需と新興国からの需要が落ち込み、成長率は急激な円安と株価上昇を背景に輸出と個人消費が伸びた1-3月期の4.3%(改定値)から急減速しています。
GDPは、株式市場だけでなく、為替市場にも大きな影響力があるので要チェックです!
ちなみに各国のGDP・経済見通し ・ 名目GDP及び一人あたりGNIが毎年1回
国際機関の経済見通しが毎年2回
実質GDP成長率が毎年4回更新されます。
長いのに最後まで読んでいただきありがとうございます!!