マイナス金利について 加筆あり
セミナーでお話したかったマイナス金利についても加筆も含めて改めてアップします。
ご一読ください。
マイナス金利とは、その名の通り金利がマイナスになってしまうことです。
マイナス金利については「なんとなく良くないイメージだけどよくわかりません!」というご意見を結構いただきます(笑)
今まではお金を預けることでレンタル料をもらっていたのが、
これからは保管料を支払わなければならないといえばイメージが湧くでしょうか?
今回日銀が導入を決めたマイナス金利は、
金融機関から日銀の当座預金で預かっている一定の水準を超える一部の資金において、
付加されている金利を現在の0.1%からマイナス0.1%に引き下げる、という政策です。
…わかりにくいですね(笑)
金融機関というのは預金を預金者にきちんと支払うことができるようにと、
日銀の当座預金に預金しなければなりません。
これは法律で義務づけられています。
大規模な金融緩和があったことは皆さんご存知の通りで、
その目的は簡単にいうと、お金を企業が借りやすくなって、設備投資や賃上げに資金が回って経済活性化することだったわけです。
しかし所謂「カネ余り状態」になった金融機関は、
余っていた大量の資金を日銀の当座預金に預け、その資金に日銀は0.1%の金利を付けていました。
それがこのマイナス金利により、
金融機関はたくさん日銀に預けると日銀に金利を支払わなければならなくなるため、
金融機関の貸出の増加に繋がるのでは?と期待しているんです。
ポジティブに考えれば金融機関がとても低ーいコストで資金を調達できるので、
企業や個人へ貸出が増加する…ということですね。
足元を見てみますと、
欧州中央銀行(ECB)が発表した直近の政策理事会の議事録では、
ハト派の声が優勢だとの見方が市場に受け止められており、
ECBが早ければ3月にも政策金利を追加で引き下げるとの見方が広がっているようです。
また、ECBのほか、日本やスイス、デンマーク、スウェーデンなどもマイナス金利を導入しています。
中国の専門家によりますと、
マイナス金利の導入について、
理論上は景気を刺激するほか、
インフレ加速などにつながると分析しているとのこと。
ただ、中央銀行が市場との対話や意見の疎通を十分に行わなければ、
金融市場のパニックにつながる恐れがあるほか、
景気の先行きに対する不安を強める可能性が高いと警告しています。
また、マイナス金利の導入がもたらすネガティブポイントについて、
◇市中銀行のコスト増加
◇新たな通貨戦争の始まり
◇金融市場に絶望感を与える可能性があること
--などが指摘されているとのことです。
これは中央銀行がマイナス金利を導入すると、
ほかに景気対策が残されていないと思われ、
株式市場などの急落を招く恐れがあるためです。
なお、スウェーデン中央銀行が金利の追加引き下げや日本銀行がマイナス金利を導入すると発表した時、
投資家はパニック状態に陥ったということもあります。
ただ、マイナス金利の導入歴史が浅く、
現時点では効果を評価するのはまだ早いだとの見方も出ており注視が必要でしょう。