2017年、数々の失敗を通して、
36歳のおじさんはやっと気づき始めた。
「人類を救うのは俺ではないような気がする、、。」
申し訳ないが、今すぐ、
その時を待って、かめはめ波の練習をする、子どもの頃の自分に会いに行って、
その時を待って、仮面ライダーの変身の練習をする、子どもの頃の自分に会いに行って、
こう言ってやろう。
「人類を救うのはお前ではないような気がする、、。」
でも、それだけでは、あまりにも酷なので、
つけ足して、こう言ってやろう。
「半径３ｍ以内の人を笑顔にするのはお前のような気がする、、。」
多分、子どもの頃の俺はひとしきり泣いた後、
お母さんのほうをチラッと見て笑うだろう。
そして、こう思うはずだ、
「お母さんを笑顔にできるなら、まぁ、ええか。」
2017年、様々な失敗を重ねた僕は、
ある意味、自分の可能性に区切りをつけた。
湊川で生まれ、
市営団地、
首からカギをぶら下げて、
銭湯、
商店街、
駄菓子屋で、
育った僕は、
人類を救うようなヒーローにはなれないことを悟った。
でも、それは、全然、悪い気はしなくて、
その代わりに、
半径3メートル以内の人を笑顔にしようと思った。
孫悟空は地球を救えるけど、俺のお母さんを幸せにすることはできるか？
仮面ライダーは人類を守れるけど、俺の子どもを幸せにすることはできるか？
答えは秒速で明確に、
「いや、それはできない。俺にしかできないんだよ。」
できないことをたくさん見つけたら、
できることを一つだけ見つけた。
「人類を救うのは俺ではないような気がする、、。」
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