地方裁判所支部における労働審判及び裁判員裁判の実施を求める意見書


平成18年4月1日に開始された労働審判制度は、個別労働紛争を、裁判所において迅速、適切かつ実効的に解決することを目的とした制度であり、制度導入以来、全国的に申し立て件数は増加している。

 山口県においても、山陽地域を初めとする各支部に中小企業や大企業の数も多いことから、労働審判の需要が高まってきているところであるが、山口地方裁判所本庁のみで行われていることから、支部地域の住民が本庁まで出向かなければならず、移動による時間的、経済的な負担を伴っており、コスト的に労働審判を諦めざるを得ないケースも生じている。

 また、平成21年5月21日に始まった裁判員裁判についても、山口地方裁判所本庁のみで行われており、各支部地域で発生している裁判員裁判対象事件に関して、裁判員本人はもちろん、被害者、事件関係者や地域住民が傍聴するためには、本庁まで出向かなければならず、労働審判と同様に、移動にかかる負担を伴っているところである。

 国民に対する司法サービスの提供は、地域間で格差があってはならず、裁判を受ける権利を実質的に保障するためには、地方裁判所の各支部において取り扱うことができる事件を拡大することが必要である。

 よって、国においては、地域における司法の充実を図るため、下記の事項について措置を講じられるよう強く要望する。

 地方裁判所管内の各支部において、労働審判及び裁判員裁判が実施できるよう、裁判官及び裁判所職員並びに検察官及び検察庁職員の増員、並びに施設整備等の必要な措置を講じること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 (提出先)

  衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣