先月28日に発生した山口県の豪雨災害を受けて、自民党山口県連としては、8月5日(月)に山口県に対して、緊急要望の申し入れを行いました。


平成25年7月28日の豪雨災害に関する緊急要望書


 7月28日早朝から本県北部地域と島根県津和野町を襲った豪雨は、「これまでに経験したことのないような大雨」となり、県内では、山口市、萩市、阿武町の広い範囲に甚大な被害をもたらし、2名の方の尊い命が失われ、未だに1名の方が行方不明となっています。


 また、大規模な土砂崩れや河川の氾濫等による被害はさまざまな分野に及び、家屋の倒壊や、1,000棟を超える床上・床下浸水、断水や停電など生活基盤に対する被害をはじめ、道路、河川、鉄道や、農林水産物、農地・農業用施設、山林、漁業施設、公立学校施設などにも多大な被害が生じており、その影響は、地域住民の生活はもとより、農林水産業や商工業、観光振興など、地域社会全般に深刻な影響を及ぼしています。


 特に、今回の被災地域の大半は中山間地域であり、過疎化・高齢化が進む中で、水稲や果樹等の農業をはじめとした第一次産業の振興や、SLやまぐち号などと連携した交流人口の拡大の取組等を通じて、地域の活性化に懸命に取り組んでいるところですが、今回の災害による甚大な被害の結果として、これらの取組が困難となり、地域の活力が低下してしまう恐れもあることに強い懸念を抱いております。

 

 県におかれては、いち早く、山本知事を本部長とする「災害対策本部」を設置し、災害に遭われた方々の救助や行方不明者の捜索、各種施設の応急復旧等について、関係市町、国、関係機関と一丸となり、迅速かつ強力に進めておられるところですが、被災された方々の生活再建や公共施設等の災害復旧、地域の活力源である農林水産業の復旧など地域社会の全体の再建は急がれるところであり、これらの取組をさらに迅速、的確かつ柔軟に進められるよう、次の事項を是非実現していただきますよう要望します。


要望事項


1、被災された方々の生活支援について

 今回の災害で被災された方々が、一日も早く安定した日常生活が取り戻せるよう、引き続き、被災家屋の土砂除去、住宅の確保・再建など、被災された方々の生活支援や防疫措置等に万全を期すとともに、水道・電話等のライフラインの早期全面復旧、道路等の応急復旧等に全力で取り組むこと。

 また、被災地域のほとんどが中山間地域であることにかんがみ、特に、高齢者等の生活支援には、万全を期すこと。


2、被災地域の早期の復旧・復興について

 被災地域のほとんどが中山間地域であることから、今回の災害が地域活力の低下につながることがないよう、早期の復旧・復興対策に取り組むこと。

 また、復旧・復興対策を取り組むに当たっては、地域の意向を十分に踏まえた支援を行うとともに、的確な予算措置を講じること。


3、激甚災害法の適用及び災害復旧事業の早期採択について

 道路等をはじめとした公共土木施設、農地・農林水産業施設等の災害復旧を円滑かつ早急に行うため、「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」の早期適用と災害復旧事業の早期採択に万全を期すこと。


4、農林水産業への支援について

 被災地域は水稲や果樹を中心とした農業が盛んな地域であるが、豪雨による土砂の流入や冠水等により、農地・農業用施設、農作物等に甚大な被害が生じている。また、畜産関係や水産関係等にも相当の被害が生じていることから、被災農地・施設等の早期復旧を進めるとともに、関係者が早期に安定した生産活動を再開できるよう、各般の手厚い支援について格別の配慮を行うこと。


5、JR山口線及びJR山陰本線の早期全線復旧について

 JR山口線及びJR山陰本線は、通勤・通学など、地域住民にとっての重要な生活交通機関であるだけでなく、観光農園等の地域資源を活用した交流人口の拡大などの面からも極めて重要な路線であるが、鉄橋の流出等により全線復旧の見通しが立たない状況となっている。

 両線の運休が長期化すれば、被災地域住民の生活はもとより、観光や地域活性化の面からも大きな影響を及ぼすこととなる。さらには、多くの人々に親しまれてきたSLやまぐち号の運休は、本県観光にも大きな影響が懸念されることから、早期に全線復旧が図られるよう強く働きかけるとともに、必要な支援を行うこと。


6、阿武川等の河川改修事業の早期実施について

 今回の大雨により甚大な洪水被害が発生した阿武川等において、再び同様の災害が発生することがないよう、災害復旧事業に合わせて、抜本的な改修対策を実施すること。


7、学校関係施設等の復旧対策について

 床上浸水や法面崩壊等の被害が生じている学校関係施設については早期に復旧を図り、児童・生徒の安全を確保するとともに、今後の授業再開に支障を及ぼすことがないよう、必要な支援を行うこと。


8、携帯電話不感地域の早期解消について

 今回の災害では、携帯電話のつながりにくい山口市阿東嘉年及び萩市小川で、電話交換機の故障により約770回線の固定電話が通話不能という状況に陥っていることにかんがみ、携帯電話が緊急時の連絡手段として確実に機能するよう、県内における携帯電話不感地域の解消を早期に実現すること。


9、水没等により被災した自動車に対する税負担の軽減について

 今回の災害では、河川の氾濫等により相当台数の自動車が水没しているという事態にかんがみ、被災された方々の負担を軽減する観点から水没等により被災した自動車に対する税負担の軽減措置を講じること。


10、観光面における風評被害の防止について

 山口市や萩市等の観光地では夏の観光シーズンを迎えているが、今後、今回の豪雨による被害が市内全域に及んでいるというような誤解を招き、宿泊のキャンセル等が発生するといった悪影響が出ることがないよう、正確な情報を提供するなど、観光面における風評被害の防止に努めること。


 平成25年8月5日


 山口県知事 山本繁太郎 様


                    自由民主党山口県支部連合会