外務大臣より、二井知事、福田岩国市長宛てに返信があった。
米軍再編等に係る外務省の見解について
平成24年3月16日付で、二井知事・福田岩国市長から照会があった件につき、下記のとおり回答する。
記
貴信1について
質問内容:ロードマップにおいて「個別の再編案は統一的なパッケージである」と記述されているが、2月8日の「在日米再編に関する日米共同報道発表」により、ロードマップの考え方が変更されるのか。その見解を明らかにすること。
御指摘のとおり、2006年のロードマップには、冒頭に「個別の再編案は統一的なパッケージとなっている」との記述がある。
他方、ロードマップにおいて、「全体的なパッケージの中で、沖縄に関連する再編案は、相互に結びついている」とした上で、「沖縄からグアムへの第3海兵機動展開部隊の移転は・・・普天間飛行場代替施設の完成に向けた具体的な進展・・・に懸かっている」とされている。
今回の在日米軍の再編の調整においては、この沖縄に関する再編案の部分について、海兵隊のグアムへの移転及びその結果として生ずる嘉手納以南の土地の返還の双方を、普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことについて議論を行っているものであり、ロードマップの基本的な考え方に変更はない。
普天間飛行場の移設については、普天間飛行場の代替施設に関する現在の計画が、唯一の有効な進め方であると信じている。
貴信2について
質問内容:岩国基地に係る米軍再編問題については、「これ以上の負担増は認められない」「普天間基地移設の見通しが立たないうちに、厚木基地の空母艦載機の移駐のみを切り離して進めることは認められない」という県・市の一致した基本スタンスを尊重した対応を行うこと。
外務省としては、貴県及び貴市のお考えについて、重く受け止めている。
平成22年1月26日付質問主意書に対する答弁書(平22閣参質174-5) 等でお答えしているとおり、政府として、厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐について、ロードマップに従って進めていく考えである。
外務省としては、在沖縄海兵隊の岩国への追加的移転については山口県及び岩国市にお願いするつもりはない。3月8日の日米間の局長級協議において、このことを米側に改めて明確に伝え、米側から日本政府の立場を理解した、米国政府としては、空母艦載機の厚木から岩国への移駐が極めて重要であると考えている旨の回答があった。これをもって、在沖縄海兵隊を岩国に追加的に移転させることにはならないことが確認された。
いずれにしても、外務省としては、普天間飛行場の移設についても空母艦載機の岩国飛行場への移駐についても他の再編計画と共に着実に進めていきたいと考えており、空母艦載機の岩国移駐のみを進めるという考えはなく、貴県及び貴市の懸念されるような事態にならないよう全力で取り組む考えである。
貴信3について
質問内容:岩国基地及びその近郊を恒常的なFCLP施設整備場所としないこと。また、恒常的なFCLP施設が完成するまでは、引き続き硫黄島で空母艦載機離発着訓練を実施すること。
平成22年2月16日付質問主意書に対する答弁書(平22閣参質174-19) 等でお答えしているとおり、政府としては、岩国飛行場を恒常的な空母艦載機着陸訓練施設の整備場所とする考えはない。
恒常的なFCLP施設が完成するまでの空母艦載機の着陸訓練に関しては、平成21年7月3日付質問主意書に対する答弁書(平21閣衆室171-581 :171国会の581を検索) でお答えしているとおりである。米軍は、空母艦載機着陸訓練について、恒常的施設が提供されるまでの間、硫黄島を現実的に可能な限り使用するとしている。外務省としては、これまでにも可能な限り硫黄島を活用するよう米側に申し入れてきており、今後も申し入れを行っていく考えである。
以上