この度、夏に度々お世話になっている荒川区民オペラさんの公演で、8/12にヴェルディ作曲の歌劇《ナブッコ》に表題役で出演させて頂くことになりました。昨年は喜劇、今年はシリアスなお話です。


世界史や聖書の中でも記載があるバビロニア帝国のユダヤ人弾圧『バビロン捕囚』を背景に作られた作品で、表題役のナブッコはバビロニア帝国の王ネブカデネザルの事でイタリア語読みのナブコデネザル、その俗称としてナブッコと呼ばれています。作中ではイタリアの第二の国歌と言われる「行け、我が想いよ、金色の翼に乗って」が有名ですが、ナブッコとユダヤ民族の対立、娘との軋轢と裏切り等多くの見どころ、聴きどころがあります。特に神罰によって力を失い不遜な己を悔い改め神に祈る「ユダヤの神よ」はヴェルディのオペラの中でもバリトンの名アリアに数えられております。王道の作品でありながら中々上演機会の無い作品です。ナブッコを歌える喜びを噛み締めながら公演に向けて準備して参ります。この機会に是非公演に足を運んで頂ければ幸いです。興味のある方は是非僕までお声がけください!







荒川区民オペラ第22回公演

ヴェルディ『ナブッコ』原語上演、字幕付き

日時:2024年8月12日14時開演

会場:サンパール荒川

チケット:全席指定

S席¥5,000  A席¥4,000  B席¥3,000


指揮 小崎雅弘

演出 澤田康子

合唱 荒川オペラ合唱団

オケ 荒川区民交響楽団


ナブッコ:野村光洋

アビガイッレ:柳澤利佳

ザッカーリア:鹿野由之

イズマエーレ:秋谷直之

フェネーナ:河野めぐみ

アンナ:東幸慧


日曜日の歌劇《椿姫》ジェルモン役で無事に終演致しました。オーディションのお知らせを見かけて急遽受けて、歌える事になった憧れの椿姫、念願のジェルモン役でした。改めまして公演を終えて感謝と安堵の気持ちでおります。舞台上で、客席で、見届けて頂き感謝です。今の僕にはあれが限界。次出会う時にはもっと良いお父さんになります。学生時代からいつか歌い演じたいと思っていた役でしたが、年齢が足りない、年季が足りない、まだまだ若すぎると言われ続け笑、とは言え歌える人は若い時から歌っていてずっと歌っている人が羨ましい気持ちでいました。こうして公演を終えるとまだまだだと改めて感じました。でももっと良くなると信じて勉強を続けようと思いました。また会える日までさようならパパジェルモン。



終演後舞台上で。


応援に来てくれた奥さんと。何とか終わってご満悦の僕と髪型を褒められてご満悦の妻。


老けメイクって楽しいね。



公演の詳細とフライヤーを頂いたので詳細を入れて再掲載致します。



国立音大に入った時、僕はテノールで入学した。だからといって上の音が得意だった訳では無く、むしろ全然出ないのに「お前はテノール」という当時師事していた中学、高校時代の恩師の言葉を信じテノールと思い込んでいた。だが一年生の前期に大学の先生から「お前は声が下まで鳴るからテノールじゃ無くてバリトン」と言い渡された。今でこそバリトン大好き人間だが、テノールは主役だし、大学の先生もテノールだし当時はテノールに憧れていた。ショックはいかばかりか…。『なんとかテノールに戻れないかなぁ…でも上出ねえしなあ…。』なんて考えていた。そんな中、自分の一個上の門下の先輩に誘われて二期会のオペラ研修所の修了者のコンサートを観に行った。先輩は「俺は“プロヴァンスの海と陸”が聴きたいんだ」と言っていた。まだオペラに全然詳しくなかった僕は“プロヴァンス”が何か分からなかった。そのコンサートでもあんまり覚えて無いまま終わった。


同じ時期の学生時代、大学の先生が「二期会でオペラをやるから観に来い」と言ってヴェルディの歌劇《椿姫》のチラシをくれた。(当時なんで先生出ないのに宣伝すんだろと思ってましたが当時の情報みたら公演監督でした笑)そんなにオペラにハマっていなかった当時の僕はちょっと面倒だったけどとりあえず行ってみることにした。そこで観た椿姫、語彙力無いけど笑すんごく素敵だった。豪華な舞台、姿も声も素晴らしいヴィオレッタ、良い声のアルフレード、そして超カッコいいお父さん(芸大や、二期会でお世話になった直野先生でした)ここで初めて“プロヴァンスの海と陸”が父ジェルモンのアリアだと認識した。「オペラカッコいい』と思った瞬間だった。

ここからバリトンにハマって大学の図書館で色々なオペラを聴きまくった。先月来日したレオ・ヌッチに夢中になり(僕のヒーローです)、昔の白黒のDVDを観てティート・ゴッビという演技が異常に上手いバリトンの悪役の演技を観て興奮したり。とはいえ元々テノールだと思っていた僕は『ヴェルディなんてやれないよなぁ』と思っていたのでモーツァルトのオペラを勉強していた。モーツァルトのオペラではヘルマン・プライや、ベルント・ヴァイクル、ブリン・ターフェルとか良く観ていて、憧れていた。

大学を卒業後、大学院を浪人しながらアルバイトをして、オペラを観に行く日々。その時も椿姫を観に行った。確か新国立劇場の中劇場でやっていた【ラ・ヴォーチェ】という企画でマリア・デヴィーアやレナート・ブルゾンを生で観て感動(アルフレード役のテノールの方誰か忘れました笑)同じ会場、同じ演出で行われていた日本人キャストの公演も観に行き出口正子さん、市原太朗さん、堀内康雄さんという当時とんでもなく良いメンバーで公演が行われていた。ジェルモンへの憧れは増すばかり。その後浪人が辛くなり二期会のオペラ研修所に入所。研修所でヴェルディ等のドラマチックなレパートリーに触れる様になり『俺でもやれるのか!?』と思う様になりました。

研修所を修了後、大学院に入り直し、オペラのオーディションを片っ端から受けまくり、ありがたい事に今も歌えておりますが、《椿姫》のジェルモンだけは通らない。最初はドビニー侯爵というちょっと愉快な役を歌い、その後は主人公ヴィオレッタのパトロンのドゥフォール男爵の役をやりまくりました。多分10回くらいやってる笑ドビニーもドゥフォールもヴィオレッタの生きる世界を現す上でとても重要な役である事は間違いなく、特にドゥフォールは僕の中で確実に役柄が育ってアルフレードの恋敵として確立したキャラクターを持っています。どちらも歌い演じている時はやり甲斐があるのです。でも二幕になってジェルモンが出てくると『やっぱジェルモン歌いてぇなぁ』と思ってしまい…。最近は年齢的にも歌いたくて仕方ない役になりました。

ジェルモン役、コンサート等で二重唱だけ、アリアだけなら歌った事はありますがオーディションに通って一本やるって事が無い。そんな中受けたオーディションでようやく役を頂いてジェルモンを歌わせて頂ける事になりました。合唱部分がカットされたハイライトだけどジェルモンの部分は全て歌うっぽいので念願の【一本歌える】ジェルモン役でございます。僕にとってはとても大きな事なのです。燃えております。お時間のある方は是非お越し下されば幸いです。






ヨスカーナルーチェ

G.ヴェルディ歌劇《椿姫》ハイライト

会場 日暮里サニーホール

公演日時 4月21日(日)14時開演

チケット:全席自由4,000円、ペアチケット6,000円


出演

アルフレード 村上敏明

ヴィオレッタ 金岡淳子

ジェルモン 野村光洋

アンニーナ 杉山紗英

ガストーネ子爵/ジュゼッペ 勝田浩章

ドゥフォール男爵 山口義生

ドビニー侯爵 吉永研二

グランヴィル医師 清水秀夫


ピアノ 前田美恵子

ナレーション 米田優子