コロナ禍でいろいろな事を考えられたヤマザキマリさん。前回は、

でした。あれから2年経って(2022年)ソロソロと外へ行かれるようになりました。

マリさんは2年半🇮🇹には帰らず東京にstay。これほど東京にいたことがないというマリさん。住まいを整え、車を買われました。

そして、「パンデミックによって発生した新しい環境に適応し、新たな歩みを始めた私が、出会い、経験し、考えた記録」と記されました。


第1章 歩き始めて見えたこと

読んでいて思ったこと、一月に起きた芦原妃名子先生の事件をマリさんはどう思われたでしょうか?同じような思いをされているので何かしら思うところはおありだと思います。五月の末には日本テレビ、小学館から報告があがりました。全部ではないですが読んで感じたものを何と表現したらいいのかと思ってましたが、この章でマリさんが書かれていた「日本の社会風土がもたらす独特な狡猾さ」じゃないかと(マリさん自身が『テルマエロマエ』でいろいろあったので)。この驚きは自分の知っている日本ではない、と。私は🇯🇵の事を何も知らなかったと思われたそうです。そして、この時期を「自分が納得できる足場を整え、再び歩き出すための素地つくるため」と考えられたそうです(今まで先送りにしていた事や考えないようにしていた事をちゃんとする)。

マリさんは養老孟司さんと仲が良く虫仲間ですがその理由がよくわかりました。そしてヨーロッパには虫を観察する人はほとんどいないと知りました。カブトムシもクワガタもゴキブリも一緒…


第2章 コロナ禍の移動、コロナ禍の家族

東京オリンピックの最中にご主人が来日。いくら何でもと怒るマリさんですが…ご主人は「家族」だから…と。息子さんと3人で🇯🇵を旅されたわけですが…読んでいて感動しました。広島の平和記念公園に行かれて原爆資料館に行かれたさいの2人の姿。ご主人は胸が痛くて途中で出られたそうです。去年の広島サミットで🇮🇹のメローニ首相は資料館を期間中に再訪されました。今年の議長国は🇮🇹。先の欧州議会選挙でも勝利。活躍が期待されます。マリさんは「戦争責任」を考えられたそうです。沖縄の話しは知らなかったので胸に迫りました。いろんな家族の形があっていい、私もそう思っています。


第3章 歩きながら人間社会を考える

今、朝ドラは女性初の裁判官になられた方の話しで今は家庭裁判所について。新しい憲法に民法。その日本の民法の話しがこの章には出て来て…となりました。マリさんのご主人と息子さんは血が繋がっていません。これがネックとなって🇺🇸に赴任されたご主人の元へ行こうとしても息子さんに入国許可がおりませんでした。問題が発覚してから2年経ってようやく解決しましたが、理由は日本の民法でした(2009何当時)。明治時代そのままの。マリさんは「普遍的な軸を残しつつ、世界とこれだけつながった日本の精神性は、これからどのように変化していくのか、冷静な視点を保ちつつ見守っていきたい」と書かれていました。


第4章 知性と笑いのインナートリップ

マリさんがコロナ禍で鑑賞されたあらゆるものの感想が書かれています。特に安部公房の『砂の女』はなるほど、と思いました(私には強烈過ぎましたが)。考察されている、と。そして、山下達郎さんにも少し触れられていました。去年の騒動で山下達郎さんも話題となり、マリさんもかなり話題でした。いつか、当時の事を書いてくださるかと思いますが…マリさんがよく書かれている🇯🇵の同調圧力は「世間体」だと。よく現れていると思います。


第5章 心を強くするために

この本の発売から2年が経って今は2024年です。マリさんはこの章の最後に「パンデミックを乗り越えた人間が、持ち前の知性と実行力をどのように稼働させていくのか、興味深く、そして慎重に見ていきたいと思います」と書かれていますが、現状をどのように思われているでしょうか…


私には混沌とした世界になっているように思います。生命科学者の柳澤桂子さんが「遠回りのようでも良質な芸術にふれることが大事」という主旨の発言をされていてマリさん、そのもの、と思いました。



被災された皆様が早く落ち着かれますように…

世界が平和でありますように…

感染症対策を😷