読みながら思いました。澤田瞳子さんは本当に「京都」がお好きなんだなぁと。お名前だけは存じ上げていましたが読んだことはなくて、このエッセイが初めてとなります。お名前を知るきっかけは、

です。この中に「伊藤若冲」を書こうと思っていたら、お若い作家さんが書かれる予定だと知った葉室麟さんがその方を先にと。その当時のやりとりを澤田瞳子さんがよせられていました。

その後、葉室麟さんが亡くなられたので、葉室さんの書かれる「伊藤若冲」は世には出ていないと思います。


出版社同士に何か約束事があるのかはわからないですが、内田先生も「平将門」をテーマ(だったと記憶してるんですが)に書かれていたら、同じテーマで書かれる作家さんがいるのでボツです、と言われて憤慨されていたので、葉室麟さんのような対応はあまりないのかもしれません。その後、内田先生は別作品で「平将門」を使われてましたが。



ずっと京都暮らしをされている澤田瞳子さんのこのエッセイ。四季に合わせていろいろと興味深い京都の風情が紹介されています。こちらは2015年に出版されているので約10年近く前。その間にコロナもあったので若干見えるものも違っているかもしれませんが、出てくる神社やお店に「私も行ったわ。買ったわ」となり、そんな意味があったの!知らなかった…です。ましてや大根の種類なんて…初めて聞いたとなり、それで京都は豆腐にうるさいのか…となりました。


気になったものをちょっとだけ…

冬ー

千年の古都、千年の謎

「晴明神社」が紹介されていました。今年の大河ドラマにも登場する「安倍晴明」。ミステリアスですが史実は…でも、いいんです。娘とGWに行ってきました。しっかりとお守りとお札を買って帰り、「魔」が入らないように玄関に貼りました。

迷子防止に数え歌

京都の何というか住所(みたいなもの)の読み方は独特で、私なんかは?です。上ル(北)、下ル(南)、東入(東)、西入(西)という表現を理解しこの数え歌で位置がわかるそうです。ちなみに京都の大学に通っていた息子、娘もこれで(我が家は「コナン君」ですが)覚えました。

「丸竹夷ニ押御池、姉三六角蛸錦、四綾仏高松万五条、雪駄ちゃらちゃら魚棚、六条、三哲通りすぎひっちょう越えれば八、九条、十条東寺でとどめさす」、多少の変化はあるようです。

京都は碁盤の目のような作りです。京都駅の上の方まで行くとよくわかりますので、ぜひみてください。ほんとだぁ〜となります。


春ー

宇治茶に思う老舗の姿

よく知っている名前がたくさん出てきました。そして知らなかった…も。名前だけあげると、祇園辻利(茶寮都路里)、福寿園(伊右衛門)、永谷宗園茶店、永谷園、山本山、辻利一本店です。その関係性も興味深いものでした。


夏ー

明治、牛乳ものがたり

松原牛乳についてでした。明治時代に何があったかなんてほとんど知らないので、勉強になりました。


秋ー

大根炊きは底冷えの味

京都の風物詩のような「大根炊き」にそんな秘密があったとは…テレビで必ず放送されるので、「今年もこの季節に〜」って。大根にそれだけの思いがとなりました。聖護院大根、丸大根、笹大根(初めて知りました)。


時代小説を書かれる澤田瞳子さん、その知識量のほんの一旦をこのエッセイで書かれたと思いますが…知らない事ばかりで。歴史的事実を踏まえて書かれてるので勉強になったとしか言えません。

京都に行かれる皆様、ぜひ読んでみてください。新しい発見があるかも、です。


それで気がつきました。澤田瞳子さんも白川紺子さんも同志社大学で。部活が澤田さんが「能」、白川さんが「狂言」、白川さんが年齢非公開なので交差する期間があったかどうかはわからないですが共に部員確保に苦労してるとあったので、お二人が宣伝されればいいんじゃないかと。どうかな?(娘によればうちの大学もあるわよ、って。京都の大学はみんなあるんでしょうか?)。

それと、最近「蜆」が話題になりました。ヒゲダンさんがテレビで「松江の蜆は大きい。東京は小さい」と力説されていたんですが…私は松江だものね〜と思ってましたが、澤田瞳子さんが太宰治の作品(『水仙』)を引用されて説明されているのを読んで、東と西の違いを初めて知ることになりました。まだまだ知ることはたくさんありそうです。



被災地の皆様が早く落ち着かれますように…

世界が平和でありますように…