平安時代の文学とは縁遠い私ですが、江國香織さんの訳という事で読んでみましたが…やはり、縁遠かった。


それなのに…娘が大好き、というので…

どのあたりが?と訊く私に「面白いじゃない。大好き」と言うので…平安文学専攻はこうなるのか…と思うのでした。母は、近代文学専攻だったので先頃話題になった與謝野晶子と平塚らいてうの「母性保護論争」、知らないでしょうと…まぁ…いいんだけど…(専攻が違うとこんなものかな)


解説(原岡文子さん平安文学者)を読むと、研究者だわ〜と。同じことを近代文学で私もしたけど…平安になると…寝てしまう(申し訳ありません)。相性が悪いのよね、と思う。

もう一言一句、解説、推敲、時代背景を考える、素晴らしい(でも、寝てしまうんです。読んでて。もうこれはどうしようもないかな〜)。


それでも読んでいて感じたことを…

NHKの大河ドラマ『光る君へ』にも通じます。

(例えるなら)父親が地方支社(関東)から本社(京都)へ戻ることになったのでその移動途中に何があったかが書かれています。主人公の少女は京都に戻ったら『源氏物語』を読む!と決めていて頭の中はこの事でいっぱい。好奇心旺盛な感じを受けました。


実母と継母が登場するので何のことかわからないので娘に解説を。平安時代の家族構成というのは??で『光る君へ』でも関係がよくわかっていない私です。まぁ、あちこちに女の人がいたと思って(娘より)という事でした。つまり、関東の地方勤務にあたって付いて行ったのは実母ではない女性(歌人の上総大輔、この辺りは『源氏物語』の影響が大きいと解説で)という事です。次の地方勤務には誰も付いて行ってない。この継母も途中で違う人の所に行ってしまいました。


自由ですね。


そこから京都での生活。

出産による姉の死。

宮仕え。

『源氏物語』をずっと夢みてる。

結婚させられてしまう。それでも『源氏物語』大好きは続けてる。

だけど、親になって、夫が亡くなって願うのは子ども達の将来。今までのことを省みて物詣での日々をおくる晩年…


江國香織さんが「いちばんの読みどころは、当時の人々の大胆で豊かなライフスタイルにあります。家屋というものに対する感覚(ある意味での執着のなさ)や、夢の持つ意味(人智を超えた、宗教的な啓示)はいまとまるで違っていますし、結婚のありようも子供との関係も、いまよりずっと野生的です。お客さんが帰ったとか桜が散ったとか、ささやかなことで大泣きする人々であるのも、しみじみおもしろい。」と書かれています。


ほんと、自由です。


そして、とにかく歌があちこちに散りばめられていてその一首、一首の江國香織さんの訳がまたいいのです。読みながら「月」に関する歌が多いのに気がつきます。平安の人達にとっては「月」が何より大切だったのかなぁと感じました。「太陽」ではないんです。「月」です。

『竹取物語』と『源氏物語』、通じるものがあると話されたのは「ロバート・キャンベル」さん。それこそ「紫式部文学賞」の講演での話しです。


頁数は多くないんですが…なかなか、なかなか大変でした。




能登半島を中心に被災された皆様が早く落ち着かれますように…

世界中が平和でありますように…

コロナとインフルエンザに気をつけて😷