結婚14年目にして初めて麻希は夫と娘を連れて実家のある旭川に元旦に帰省した。麻希は六人兄妹の一番上で両親は結婚が早かった。おかげで十八歳年上の夫、則夫と父親は同い年…夫と母親は一度会った事があるが…他の家族とは初めて会う。何とも居心地が悪くて則夫は母親と一緒に食器を洗ったりして過ごした。そんなことや男ばかりの従兄弟達に囲まれて娘は話し相手がいない。ならと、麻希は予定を変更して札幌に行き「札幌市内心霊スポットツアー 午前0時スタート」に参加することに…


麻希は何かに取り憑かれたように動かない。あそこに赤い光が見えるから行く、と言ってきかない。無理に動かしても戻って来そうな妻の様子に則夫が見に行くから、と説得。そして、スーツケースに入れられた女性の死体を発見した。


女性の名前は「青坂茉奈三十歳」。驚くことに彼女は一ヶ月前に麻希が所属する女性犯罪捜査班にストーカー相談に訪れていた。担当したのは鍋島で、その報告に来たのは「北海道警察本部 生活安全部ストーカー対策室室長 警部 瀧正義」…


驚く則夫が麻希のほうを見ると、彼女は渡された名刺を見てかたまっていた…

瀧は麻希の恩人とも言える人物だった。高三の夏、どうしようもなく苛立って荒れた生活を麻希はおくっていた。進学の事や家の事、その一つ一つに寄り添ってくれて東京の大学への進学を親に認めさせてくれた。家ではうるさいだろうからと警察署の空いたデスクで勉強もさせてくれた。そして、何かあるごとに「道警に入れ、刑事になれ」と言っていた人が目の前に立っていたが…

あの頃とは違って痩せて、骨と皮ばかりの身体になっていた。何より、麻希の事を覚えていないのか、その体からは懐かしさのかけらも滲み出てこない…


則夫は瀧が薬物中毒者だと直ぐにわかったが、妻の様子がおかしい事の方がもっと気になった。妻とこの男とは何かある…そう感じた。


北海道警の闇の中で麻希と則夫は真実を求めて捜査をするが…

茉奈は薬物中毒者だったが死因は凍死。家は荒らされていて、捜査の結果、東京で彼女をストーカーしていた男に襲われ、逃げた後の行方が掴めなかった。

東京から茉奈の件を担当した鍋島が北海道に来たが行方不明に。前夜は瀧と行動を共にしていたはずだが瀧は知らないという。則夫は彼が元公安と知っている道警の幹部から呼び出されていた。


茉奈をストーカーしていた男が逮捕され新たな供述が得られた。彼は茉奈の携帯のGPSから位置を割り出し、彼女が逃げ込んだラブホテルをつきとめ、車の下に隠れて茉奈が出てくるのを待っていたが、彼女は出てこず、車はレッカー車が持っていってしまったという。新たな車の車種にスーツケースの音…


麻希と則夫が鍋島が監禁されているのではないかと思って踏み込んだラブホテル。そこで見つけた血痕とトカレフの薬莢。線条痕を調べる。

だが、鍋島が青坂茉奈の殺害容疑で全国に指名手配された。同時に彼が元警察庁長官の息子であることもわかってしまった。


線条痕は瀧の上司で、旭川では麻希の前では先輩と呼んでいた「古河良治」が自殺に使ったトカレフと一致した。押収したはずの銃がどうして?持ち出された?誰に?調べようとして二人は道警から出入り禁止に。


夢美が到着して麻希と行動を共にし、則夫は鍋島を見つけに小樽へ。



旭川で麻希の事を親身になって面倒を見てくれた瀧の転落した警察官人生…

それは麻希だったかもしれないし、則夫だったかもしれない…二人がそうならなかったのは…二人でいたから。


事の真相は…(読んでくださいね、かなり混みいってます。瀧は誰も殺していないけど、優しすぎたから苦しんで、古河の事が頭から離れなくて薬物に手を出して転落していきました。そこに麻希がいれば止められたかもしれない(本人も言ってました)。でも、そんな事はわからない。だから、これでいいんです)

私的には原則夫さんがお気に入りなので、今回の活躍がカッコよかった、です。もっと活躍してください(定年になっても)。

組織にいるということは、辛い事の連続でもありますね。そんな事を思いました。だから、誰も瀧が転落して行くのを止なかった。



能登半島を中心に被災された皆様が早く落ち着かれますように…

世界が平和でありますように…

コロナとインフルエンザに気をつけて😷