柚月裕子さんが様々な場所で発表された短編を集めた1冊です。短い頁数でミステリーではないジャンルの話しもあって、新鮮でした。
『チョウセンアサガオの咲く夏』
表題作になります。母親の介護をする娘は何を思う?です。チョウセンアサガオは有毒植物なので。ベラドンナもそうです。ミステリー好きならこちらの方が知られているかも知れません。私が知る限りだと、『相棒』、『科捜研の女』、『アストリッドとラファエル文書係の事件録』に使われています(事件の重要な手がかり)。
『泣き虫の鈴』
幼い少年ともっと幼い瞽女さんのお話しでした。瞽女さんとか角兵衛獅子とか、内田先生の作品にもありますが時代とともに聞かなくなりました。
『サクラ・サクラ』
先の大戦で日本軍がパラオ🇵🇼で何をしたか、という話しでした。
『お薬増やしておきますね』
精神科の外来での話しでしたが、最後まで読んで、エッ…となりました。
『初孫』
不妊治療…たまたま観た番組でしたが、🇯🇵は少子化と言われながらも特別養子縁組は順番待ちとか。保険適用等の条件緩和がありましたが夫婦のどちらかに原因があって妊娠できないケースは多い。男性の場合は父親から精子をというのが最近の傾向だそうです。なら、女性は?と思っていると他の女性からの「卵子提供」が増えているそうです。提供された側とした側の話しが聞けました。まだまだ問題はあるのでしょうが、子どもを持てた女性の喜びの大きさが伝わりました。このお話しの場合はどう乗り越えたのでしょうか。
『原稿取り』
策士の作家さんでした。編集者さん、お気の毒、というお話し。
『愛しのルナ』
ルナは猫ちゃんの名前なんですが…ちょっと愛するあまりの度合いが桁違いでした。
『泣く猫』
自分を捨てた母親が亡くなって、部屋を片付けに来た娘と猫の話しでした。何の感情も湧かないのに、母親は(野良)猫に自分の名前をつけていた。理由は、忘れないように…
『影にそう』
瞽女さんのお話しです。
『黙れおそ松』
私には…?でした。漫画からなのかな?
『ヒーロー』
佐方検事の事務官のお話しでした。私は検事の「嘘の先には嘘しかない」が胸に響きました。