『道具屋筋の旅立ち』…遠田潤子(日本ファンタジーノベル大賞)

実はこのお話しが一番気に入りました。時期は平成の初めの頃で場所も大阪。道具屋筋は私にはわからない場所ではありましたが、その他は大体わかりました(地図が読めない人なので推測で)。

というか、こんなモラハラ男となんで付き合うの!が先に立ち、いつの間にか読んでました。付き合う女、優美が全く理解できない(いくら初めて付き合った男でも)。男、誠は年下の大学院生。お笑い好き。ご贔屓はハナコ(大食い)。髪型も洋服も自分の好みにしたがる。食事もそう。勝手に箪笥を開けて古いアルバムを見て優美が昔は太っていたこと知ると…学祭で女子大生の大食い大会をするから出てくれと頼む(ハナコがヒント)。最初は断った優美でしたが、誠の秘密を知り、自分の過去と戦う事にした彼女は出場を決めます。そのために道具屋筋ですり鉢を買いました。優美の戦いには必要な物でした。

彼女の過去がしばらく綴られます。優美がなぜ太ったのか。理由は母親。母親が一番大切だったのは自分自身の美しさ。邪魔するものは廃棄…

大食い大会は優美の圧勝でした。スカウトされるほどの食いっぷりで。優美は吐き出したいばかりでそんな気は全くない。そして、誠にあるものを渡します。「八角の魔盤空裏走」の言葉とともに…

この二人、別れたのかな?と思いましたが…

「本当の私」を見せに誠君、来るんですね。どうなるでしょう…


『無事に、行きなさい』…桜木紫乃(直木賞)

道東を舞台に小説を書かれる桜木さんの作品、今回は「アイヌ」がテーマ。新しくオープンさせるビストロの内装をミワに任せたリン。二人は恋人同士だが仕事は別。ミワは人気のインテリアデザイナーでアイヌの紋様を特徴とする。

彼女の描いた線は「ミワライン」と呼ばれている。リンのお店に今回描いたのは『アプンノ マイエ』。アイヌ語で「無事に行ってほしい」の意味だと言う。そして、これが二人の別れの始まり。才能と才能がぶつかると、スッと入ってきた誰かに心が奪われてしまう。それに気づくのも才能…「アプンノ マイエ」は「さようなら」の言葉を持たない民族の別れの挨拶…

大人な小説、店のバイトに紹介できた「久保田幸夫」の存在が異を放つ…


『海鳴り遠くに』…窪美澄(直木賞)

夫が亡くなり一人で海辺の別荘で暮らす恵美。そこに作品制作のためにひと夏隣の別荘で過ごす事になった絹香という女性が、一回目はトイレを借りに、二回目は挨拶に来る。二人が過ごす夏は…

絹香が別荘を去ってからの恵美…

彼女を探すために新宿へ行く。



後半の三作品は「性」についてが一つのテーマかな、と思います。トランスジェンダー、遺伝子、Y染色体の役割、同性が好き、という事実…

去年、話題になりましたがこのLGBTの問題。欧米は日本よりかなり先まで行って、その弊害に困っている状態。日本も活動家の言いなりにならないようにしないと混乱を招きます。慎重な対応を…






能登半島を中心に被災された皆様が早く落ち着かれますように…

世界が平和でありますように…

コロナとインフルエンザに気をつけて😷

(父親の七回忌で実家に帰ってました。兄が🐶を連れて来たので久しぶりに🐶と生活しました。もう13歳だけど、足下にいてくれると暖かくて…動物ってあったかい!を実感しました)