「しゃばけシリーズ」です。見つけたら読んでいるので何冊目?とかは…わからないです。いつもの妖達と身体の弱い若だんなが主役です。


今回のテーマは「おおあたり」。何にあたったんでしょう?若だんなは無事かな?舞台は「夏」です。


おおあたり

若だんなは…暑気あたりで寝込んでます。熱が下がらなくて兄や達はどうしたんだろうか、と。そこへ、若だんなの友達で立派な和菓子職人をめざす「永吉(実は餡子がうまくできなくて、壮絶な味の饅頭を作り出してしまう)」が見舞いの品を持ってきました。餡子の件を知っている妖達はどうしたものかと悩みましたが…

とっても美味しかった!というのは今回は「あられ」だったから。美味しいあられ。これなら日持ちもするし寝込んでいる若だんなも食べられる。そこで若だんながこのあられを自分のお店で売り出すと、おおあたり!売れに売れました。

これで永吉の修行も終わり、待たせている許嫁との結婚!と誰もが思いましたが、立派な和菓子職人を目指すにはまず「餡子」がうまくできないと、永吉。その結果…

おおあたり、しても失うものは、ありますね。世の常、ですね。


長崎屋の怪談

暑い夏は、やはり「怪談」!

人のなりをした妖「馬久」は、人の怖い夢を食べて噺家として吐き出すので、怖いと評判。

暑い夏、長崎屋での怪談で少しは涼しくと(若だんなのためでもありますが)寄席が開かれて満員のお客様の前で場久が話したのは、悪夢の中に散らばっている大あたり。これはとんでもない不運な事だと話して怪談は始まりました。

内容は…愛するあまり、かな。

場久、「ちょっとした出来心が、悪夢を引き寄せちまうかもしれやせん。今日大丈夫でも、明日は、大あたりをしちまうかも。ですから、人に言えない事を、やっちまいましたら、どうぞ逃げ切って下さいやし。世の中には、驚くような悪夢が転がってるもんで」と結びました。

後日、場久が若だんなの所に転がり込んで来ました。誰かにつけられてると言って。場久は獏だから悪夢を食べないといけないのにそれも出来ないほど弱ってしまって。誰が場久をつけているのか顔見知りの日限の親分に若だんなは頼みましたが、その親分も行方知れずに。お奉行所の岡安同心まで若だんなの所に…一体何が…

事が解決しても悲しい若だんなでした。金つばも悲しい味…ちょっとした、ちょっとした気持ちが…悲しい大あたりでした。


はてはて

やはり人のなりをした「貧乏神」の金次。若だんなからお金をもらって美味しい饅頭と羊羹を買った帰り、男にぶつかられてみんな吹っ飛んで、おまけに雨上がり。泥だらけになってもう…

男はわびにと一枚の「富札」を渡してくれたけど、酒の肴にはならない、と憤る。

ところが、この富札が何とおおあたり!貧乏神がその場で番号を読み上げていたものだから、長崎屋の若だんながおおあたり!と噂に。違うと言っても人の口に戸は建てられない(ちなみに、このおおあたりに若だんなも両親もあまり…騒ぐのは周りの者ばかり)。

とりあえず、富札を出している増上寺に行ってみれば、二枚しかないおおあたりが三枚も出たのはどういうことかという話しになっていて混乱しているし、長崎屋にはなぜか女が三人来ていて揉めている最中。何が何だか…

貧乏神も苛々で、誰が解決してくれるのか、誰でしょう。欲のない若だんなです。富札のおおあたり、三百両だそうですから(必死な人もいますわね)。


あいしょう

若だんなが五歳のときに、兄や達は来ました。千年以上生きているのに二人とも十歳の姿で。若だんなの祖母で大妖怪「おぎん」の頼みで。

来た早々、若だんなの誘拐!という大事件が。最初は反目しあっていて兄や達が捜索の為に協力し、知恵を出し合います。妖達も力を出して、若だんなを見つけ出しました。きっかけは同じくらいの歳の子が先に誘拐されていて、その子の気配を察した若だんなが一人で助けに出たらしいということ。寝込む事が殆どの若だんなが…ここで兄や達は自分達が来た理由がわかりました。若だんなを守る!兄や達が誕生しました。


暁を覚えず

若だんな、廻船問屋「長崎屋」の跡取りとして仕事がしたい!と意気込んでも…寝込んでしまうの日々…今回の案件にも(おもてなし)アイデアを出したのに…行けそうにない…あまりの不甲斐なさに布団をかぶってしまう(人前で泣かない努力)。そんな若だんなを思って兄や達が…

今回のお話し、若だんなもですが、若だんなの家族、特に母親の「おたえ」が何とも魅力的でした。ちょっとずれていて頓珍漢だけど家族への深い愛情が伝わります。そして兄の松之助が持ってきた永吉お手製の饅頭のおかげ(みんな倒れました)と、兄や達が作り話をして飲ませた薬の効果もあって若だんな、長崎屋の跡取りとして、初のおもてなし。夏の海に出かけて行きました。


装丁も夏らしい色だし、イラストはお話しの登場人物達で手触りのいい一冊でした。

若だんな、元気かな?(なんせニ⚪︎一六年、作なので)




被災地域の皆様の早い復興を…

世界が平和でありますように…

コロナとインフルエンザに気をつけて😷