宮部みゆきさんが十二の俳句を元に十二の短編小説を書かれたのがこの『ぼんぼん彩句』です。

「あとがき」にこの本の由来が書かれてまして、宮部みゆきさんとほぼ同世代の方々の集まりで「BBK」というものがあり、「ボケ防止カラオケ」の略称で何ヶ月かに1回、定期的に集まってカラオケを歌う。その際には新曲を必ず1曲。それが新しい音楽に積極的に興味を持つ事に繋がり、ゆくゆくはボケ防止になるのではないか、という主旨の集まりだそうです。

そして、宮部みゆきさんが2012年の夏に(BBKは14年前)、

と出会った事、ご自分の仕事の主軸が江戸怪談を書く事になったこともあって様々な媒体の「怖い」に興味を持っていた事が重なって、「俳句」の世界に魅せられてしまった、と。いろんな本を読むと自分でも、となったけど…

最初の一歩が…となってBBKのメンバーを誘ったところ、全員が参加。そうこうしているうちに、宮部みゆきさん、『ぼんぼん彩句』のアイデアが浮かんで、メンバーも快諾して誕生したということでした。


この「あとがき」をまさしく、「あと」に読んだ私は、「なんか暗い感じの句ばかり…というか、怖い感じ」と思い、あとがきの最初で作者が宮部みゆきさんと同世代と知ると、「そうか、人生のいろいろか」とまた思い、テーマというか「怖い」に焦点が当たってるとわかって、納得したのでした。


作品の中で個人的に気に入ったのが、

山降りる旅駅ごとに花開き 灰酒

です。お話しの続きがあればなぁと。姉妹の中で一人だけ両親に愛されない春恵。そんな彼女の事を思ってお金を残していた祖父。受け取った彼女のその後に興味が…何となくを予感させる人達もいたので、尚更でした。


ぼんぼん彩句、お菓子のボンボンを思い出しましたが、宮部みゆきさんによれば「凡凡」な眼差しと、身近な暮らしのなかに彩りを見出す俳諧の心を大切にこれからも創作を続けたいと結ばれていました。



世界が平和でありますように…

コロナとインフルエンザに気をつけて😷

朝から鼻水が…もう半袖はお終いにしなさいってことかな。