久美子さんには「頑張れ!」のエールを。私の実家周辺では若い女性が一人で農業をしている家はないですね。従兄弟も言ってましたが「お金になる」物を作る、というのは難しい…市場はそんなに甘くない。母親も頼まれてハウスの苺栽培とかトウモロコシの収穫を朝早くから手伝ってました(無報酬。苺とトウモロコシをもらってくるだけ)が、軌道に乗ったという話しは聞きませんでした。よく田舎で100円で野菜とか売っていますが、あれにも頼まれて出していましたが…(出すものがないと頼まれる)いい話しは聞かないですね(叔父がしてたので協力していたみたいですが)。販売ルートというのは難しいです。コロナでしばらく帰省出来なくて去年帰ったときに、農協が建てたのか、一般の方が野菜等を売る建物が出来ていました。あちこちに似たような建物があったので、こういう場所ならと思いますがお値段はそれなりに、です。ただ田舎は家族の人数が都会とは違うので(スーパーでも)たくさん入った野菜は助かると思います。後は(叔父もですが)中心となる人が亡くなってしまうと、継ぐ人がいない、という問題がありますかね(田舎のややこしさ)。農業も人間関係が大事じゃないかと思います。


久美子さんはその点は恵まれてるんじゃないかと。何事も真面目に、真っ当にやる、というのは大切な事です。久美子さんに農地を斡旋してくれた富士江さんのすすめで婚活に行った久美子さん。そこで知り合ったお二人。二人ともバツイチのシングルマザー。このままでは生活が成り立たない。それで婚活、結婚!となったわけですが。静代さんはとにかく結婚!年齢が上から順に狙って行ったけどダメで、久美子さんの番号を書いていた男性がいるから一度会ってみないかの提案について行ってちゃっかり結婚!ここで田舎の「介護問題」が浮上。介護は嫁がするのが当たり前。施設なんてとんでもない。介護者がいる事を恥とみる。静代さんはともかくこの田舎の介護問題は聞く事が多いです。あとは本家の嫁が駄目なら分家の嫁がする、というのもあります。我が家は分家なので…私の母親世代は大変です。

もう一人のヒトミさんはパーティーが始まる前に帰ってしまいましたが(講師の説明にやってられないって言って)、なぜか気が合う久美子さん。二人でマルシェに野菜を出しましたが…久美子さんは富士江さんから教えられた事はちゃんとメモしてその通りに作ってましたが、ヒトミさんは教えてくれた人が亡くなってからは適当になり、見栄えのしない野菜を無農薬と言って売る。それでも売れるのは世間が「無農薬」という言葉に「価値」を見出してるから。この辺り読みながら考えてしまいました(偶々、昨日SNSでそんなやりとりを見たので。詳細は…略です)。

そんなマルシェで一人「蜂蜜」を売っていた若い男性。美味しいのに全く売れていないから手伝ってあげた二人ですが、これが縁でヒトミさんはこの男性と結婚へ(ヒトミさん、年上ですが玉の輿かな?)で、ヒトミさんはいいんですが、彼の話してる事が、先日読んだ、

の中の

の話しだったので、お〜となりました(それだけです)。


そして、私がこの一冊で一番共感したのがアヤノさんのこの言葉でした。「男女平等が謳われるようになってから真っ先に変わったのは、実は男性なのよ。女性を守るという最低限の気遣いを一切しなくなったわ」、そして、「戦後七十年が経ち、この世の中は女性にとって本当に生きやすくなったのだろうか」と問いかけられます。先日の「LGBT理解増進法」をみても何だか…

公平、平等の先にあるものは「格差社会」という養老先生の言葉が思い出されました。それを裏付けるのが瑞希の存在ではないかな。新聞記者として働いた一年半。何が彼女に起きたのかはわかりません。でも、二度と働きには出ない!という彼女。お金のために嘘だらけのブログを24時間使って書き続ける。その生活が何を物語っているのか。そして、久美子さんに知られると、自分の弱さをブログに書き込み始める。そして、また共感を呼び込む。そんな彼女に自分の野菜を紹介してもらい、売り方まで教えてもらう久美子さん。この辺りはあまり感心しないのだけど(アヤノさんと同じで私も彼女が好きではない)、生きていく為。そして、何かあったら助けてあげるのかなぁと思うけど…複雑…


アヤノさんと富士江さんに教えられた事を久美子さんは大事に農業をして行くんだろうなと信じて…「真っ当に生きていく」大事です。


忘れてました。アヤノさんの娘さんがオーストラリア人の彼との結婚を反対されてる理由が、「アジア人だから」。アヤノさんが知ると沸騰しそうですが、これは私も聞いたことがあるので…

世の中、綺麗事ばかりじゃないから、「真っ当に生きていく」事って本当に大事!



世界が平和でありますように…

コロナに気をつけてください。