警視庁特殊能力係シリーズのスタートです。


順番がバラバラになってしまいましたが、この『忘れない男』が徳永と瞬の始まりです。


警察学校を卒業した麻生瞬の配属先が、まさかの警視庁。それも捜査一課とあってははやる気持ちを抑えられない。人事をすっ飛ばして一課に行ってしまう。でも…瞬が働く場所はここじゃないと教えられ、戸惑っていると小池という名の先輩刑事が案内してやると…行った先は地下2階の倉庫…机は2つしかない…

現れたのは…超絶なイケメン…徳永係長…


瞬は徳永が警察学校での実習で見かけ、「忘れない男」として、ここに(見当たり捜査)引き抜いた。瞬にとっては当たり前(一度見た人の顔は忘れない)の事が実はそうではないことが徳永から教えられた。指名手配犯500名分のファイルを渡され、憶えたらそのまま見当たり捜査に。瞬は配属初日から指名手配犯を見つけ逮捕しようとするが…逮捕したのは徳永で瞬はまだ逮捕の仕方もままならなかった。

見当たり捜査では指名手配犯を見つける→連絡する→2人で確かめ捜査一課に連絡して逮捕してもらうが流れだが…初日の瞬は全てをすっ飛ばしてしまった。おまけに犯人の名前を大声で言ってしまったという…


初日だからと言われても…

落ち込んで帰宅したマンションには佐生がいる。訳ありの彼は瞬の両親が海外赴任となって一人暮らしになったとたん、転がり込んで来た。彼は15年前に事故死した与党幹事長の一人息子であの日は瞬とゲームをしていて、両親とは一緒に軽井沢には行かなかった。碓氷峠で幹事長夫妻は事故死。ひどく荒れた天候だったこともあってその死には何の疑いももたれなかった。

その後、佐生は叔父(院長)に引き取られ、病院を継がせたいという叔父とミステリー作家になりたい佐生(一応医学部)とで揉めて、ついに飛び出した。


瞬の能力は警視庁の内部の広報誌に掲載されたことで、警察内では知られることになったが…瞬は戸惑う。今まで意識したこともなかったから。

徳永と歓迎会を兼ねて飲んでいると佐生から電話が入る。「佐生一郎の息子はいるか?」と家電にかかって来た、という。心配になった瞬が帰ると言うと、よほど顔色が悪かったのか徳永も一緒に行くという(佐生について説明する)。


接触して来たのはフリーのジャーナリストだったが、彼は後に殺され、瞬は駅のホームから突き落とされそうになり、マンションには爆弾が送られて来た。佐生は叔父宅に避難し、瞬は徳永のマンションに住まわせてもらうことになった。


佐生だけではなく瞬を狙う理由がわからない…

徳永から、あの日、屋敷には誰がいたか思い出せ、と言われ、瞬は徐々に思い出す。ゲームに夢中だったけど見送りには出た。秘書の人やお手伝いさん、そして…車の側にSPが3人。その一人がドアを拭いていた。顔は…あの人…と。

徳永に自分の能力について話したことはないな、と念を押され、瞬は頷く。知ってるのは広報誌を読んだ警察内部の人間だけ…


ということは…


事件は解決へと向かいます。

徳永と瞬の設定がよく分かりました。瞬が佐生を過保護にも思えるほど心配する理由も。そして、徳永が二人が知り合いだということに疑問を持ったことも。同級生で気が合ったから、だけか?と。この辺りは、徐々に明らかになるかな?です。


面白いシリーズの始まりでした。








世界が平和でありますように…